本格化する渋谷駅周辺の大規模再開発

Poste date: 2015年5月13日

渋谷駅周辺の再開発がいよいよ本格化する。

東京の主要ターミナル駅として多くの人で賑わう渋谷駅。駅周辺では現在大規模な再開発工事が広範囲にわたって進行している。

駅周辺の再開発は大きく分けて4つの街区、「渋谷駅街区」「渋谷駅南街区」「道玄坂街区」「桜丘口地区」 に分かれる。それぞれの街区が高層ビルの建設を含めた大規模な開発であり、東京オリンピックが開催される2020年頃には駅を囲むように高層ビルが建ち並ぶ街に生まれ変わる予定だ。 

 

渋谷駅街区 2020年、2027年、段階開業予定

昨年7月31日に1期工事の起工式が行われ、そのシンボルとなる「渋谷駅街区東棟」の工事がスタートした。
この東棟は地下7階、地上46階建てで、高さは228.3mでこの地区でもっとも高くなる(2012年4月に開業した「渋谷ヒカリエ」の高さ182.5mを45mも上回る)。
場所は東急東横線の旧渋谷駅や東急百貨店東横店東館があった場所。
完成は2019年7月末を予定し、20年の東京五輪開催時には名実ともに渋谷のシンボルタワーとなる。

イメージ 渋谷文化 サイトより

2期工事として今後、東棟に続いて、JR渋谷駅を東西にまたぐ位置に地下2階、地上10階建て、高さ61mの中央棟と地下5階、地上13階建て、高さ76mの西棟を2027年の完成を目指して建設する計画。
東京五輪には間に合わないものの、JR東海が手掛けるリニア中央新幹線の開業時期と重なりそうで、同27年には3棟の駅ビルが並ぶ。

東棟の14階までの低層部は延べ面積3万㎡の大規模商業施設、15階にクリエイティブ・コンテンツ産業などの情報交換を促す交流施設、16階から上の高層部はオフィスとなるが、地下化した東急東横線のほか、東京メトロ銀座線やJT山手線などの渋谷駅に直結。 地下から上層部にかけて、東口立体交通広場を設け、街へのアクセスや鉄道の乗り換えをスムーズにするとともに、災害時の帰宅困難者を受け入れる空間を確保するなど、「渋谷の玄関口」の役割を担う予定。

JR渋谷駅を直下とする予定の中央棟とそれに並ぶ西棟の着工時期は現在未定だが、完成すると、述べ面積は17万4000㎡の東棟と中央棟と西棟を加えた3棟合計は27万㎡となり、渋谷ヒカリエの約2倍に達する。店舗面積は3棟合計で7万㎡となる。 

 

渋谷駅南街区  2018年開業予定

再開発が予定されている他の場所に、国道246号を挟んで渋谷駅のすぐ南側に位置する「渋谷駅南街区」がある。東急東横線の渋谷駅―代官山駅間の地下化により、地上の線路跡地の開発が可能になり、地下4階、地上34階で高さ180mの複合ビルを建てる計画がある。

オフィスのほか、ホテルやホール、商業施設が入る予定。また、この街区に流れる渋谷川に綺麗な清流復活水を流し、川沿いに植樹しテラススペースと遊歩道を設置。 緑と潤いに満ちたスペースが誕生する計画。一部は2017年度の開業を目指す。


イメージ 渋谷文化 サイトより


 

道玄坂街区  2018年開業予定

道玄坂街区では現在の東急プラザ渋谷付近に地上17階、地下5階の複合ビル建設が予定されている。
1階に空港リムジンバスの発着場を含むバスターミナル、高層部にハイグレードオフィス、中低層部には世界中から人が集まる魅力的な商業施設を配置し、2018年度の開業を予定している。

渋谷駅周辺の再開発に連携して、渋谷駅西口交通広場の再編に貢献し駅施設および周辺市街地をつなぐ縦動線「アーバン・コア」や歩行者デッキなども同時に整備される。 これら交通動線の集約化、ネットワーク化により、国際的な観光文化都市渋谷の玄関口に相応しい交通基盤となる。
また日本進出を希望する外国企業のための業務環境と国内外の観光客、起業家等の誘引のための支援環境も整備される。

 

イメージ 渋谷文化 サイトより

 

桜丘口地区2020年開業予定

渋谷駅西口から国道246号線を隔てた「桜丘口地区」は駅に隣接しながら不便であったアクセスを解消、周辺再開発との連携に伴い、縦動線「アーバン・コア」や歩行者デッキなどが整備され、駅から桜丘口地区までのスムーズな移動を実現する予定。

同地区計画としての再開発エリアは桜丘町1〜4、8番地など、敷地面積は約1万7000平方メートル。地上36階・高さ約180メートルの「A1棟」と、地上15階・高さ約90メートルの「A2棟」から成る「A棟」。 8番地に建設を予定する地上32階・高さ約150メートルの「B棟」と、それに隣接する地上4階・高さ約30メートルの「C棟」の4棟で構成。 延べ床面積は24万1400平方メートルで、主な用途はオフィスビル、商業ビル、住宅棟などで、街の国際競争力強化を図るため、居住者や外国人ビジネスマンの生活を支援する施設や国際医療施設に重点を置き、国際都市をアピールする。またC棟は教会として利用されるという。

渋谷再開発の4つの街区において、住居が入るのはこの桜丘地区だけである。

イメージ 渋谷文化 サイトより

 

これらは50年や100年に一度といわれる大規模な再開発であり、街全体が大きく一変。 駅周辺には近代的な高層ビルが林立、駅ビルを含め現在の渋谷の姿から大きく様変わりする。
各高層ビル間はデッキや地下通路で移動しやすくなるという。 地上の遊歩道や広場も緑化整備され、待ち合わせで有名なハチ公広場は現在の1.5倍の広さに広がる予定。

この再開発事業の目的の一つに「良質なクリエイティブ・コンテンツを創出する環境つくり」があり、ビジネス拠点としての魅力も高まってくる。
インフラ整備、防災対策、緑化整備により街全体が整い、渋谷はさらに活性化され、若者や観光客だけではなくビジネスマンを含む多くの人々を引き付け、世界的な文化発信基地として飛躍していくことでしょう。