英語に直訳できない オフィスで使うビジネス日本語

Poste date: 2019年3月27日


外国人が日本の企業で働く際、日常生活ではあまり使わないオフィス用語を覚える必要があります。オフィス用語の中には、日常会話で使われるものもありますが、この記事では、特に会社内で使われている表現をまとめました。

日本人が普段オフィスで使っている言葉は、英語にそのまま直訳できるものと、直訳すると意味をなさないものがあります。以下は、オフィス内で最も一般的に使われている表現の、英語の直訳、翻訳、使い方です。

 

オフィスでの挨拶言葉

おはようございます

直訳: It’s early

英訳: Good morning

英語に訳すと <Good morning> ですが、多くの日本の職場では、朝の時間に限らず、午後でも夜でも、オフィスに到着した際に「おはようございます」と言う習慣があります。また、上司から部下に言う場合、<ございます> が省略され、「おはよう」のみになることもあります。


お世話になっております

直訳: To become assistance, to be taken care of, to be looked after

英訳: Thank you for your kind cooperation. I appreciate your cooperation.

本来の意味: 取引先(相手)の協力や親切に感謝を示す言葉です。まだ取引が始まっていない相手でも、最初からこの言葉を使うことがあります。

「お世話になっております」は、取引先からの電話に出るとき、取引先に会って挨拶をするとき、またはメールの冒頭に使用します。


おつかれさまです

直訳: (you) appear tired, you must be tired (from work)

英訳: Good work, thanks for the hard work, Hello / Hi (use toward co-workers)

本来の意味: 本来の意味からは、「疲れているように見えるほど一生懸命働いている」ことが想像できます。疲れているように見えるということは、「相手が良く働いている」ということです。それに対して「自分は大変な仕事をしてもらっていることに感謝している」との意味を含むことが考えられます。

この言葉は主に挨拶言葉として使われます。英語では Hello という言葉の代わりに、「おつかれさまです」は、社内での挨拶、社内メールの冒頭、同僚との電話の最初の挨拶、社内の人物がプロジェクトやプレゼンテーションを終了したときなどに使われます。 

 


おつかれさまでした

直訳: you appeared tired, you must be tired (from work)

英訳: You did a good job (implying that the work is over), have a good evening, you’ve done great work.

おつかれさまです、の過去形で、仕事が終わったときに使います。


ご苦労様です

直訳: appear to have had hardship (suffering, difficulty)

英訳: Thank you for your hard work, Good job.

おつかれさま、とほぼ同様の意味ですが、目上から目下に使う言葉で、自分から上司に対しては使いません。

 

オフィスで何かを尋る(お願いをする)時に使う日本語

すみません、今お時間大丈夫ですか?

英訳: Excuse me, is now a good time?

意味: <do you have a moment?> または <are you busy right now?>と言い換えることもできます。

使うタイミングは英語と同様、相手に時間があるかどうかを確認するときに使います。


~を見てもらってもよいですか?

英訳: Please look at ___.

意味: 上記のほかにも、<If it’s okay, can I get you to take a look at ____ for me?>と言い換えることもできます。

使い方も英語同様です。


よろしくお願いします

直訳: please properly, please well

英訳: Thank you in advance, I look forward to working with you, I look forward to seeing you, thank you for your continued assistance

意味: 「よろしくお願いします」の意味は、文脈によって変わります。例えば初めて会う人に挨拶として使う場合、「私はあなたと働くのを楽しみにしています」という意味に捉えることができるかもしれませんし、誰かに何かを頼む際には、「どうかこちらの要求を満たしてください」という意味になるでしょう。

ただし実際には、これほど深い意味を考えて「よろしくお願いします」を使うことは少なく、一般的な挨拶言葉として使われています。

メールの最後の挨拶文として非常によく使われ、お願い事をするときにも使われます。


ありがとうございます

英訳: Thank you very much

「おつかれさまです」と同様、とても頻繁に使われる言葉です。


ありがとうございました

英訳(意味): Thank you very much for the thing you did.

「ありがとうございました」と過去形を使うのは、英語には見られない表現方法です。英語では、過去にしてもらったことも、たった今してもらったことも、どちらも <Thank you> を使い、<Thanked you>とは言いません。日本語では、その出来事が、たった今起きたことなのか、それとも過去に起きたことなのかを考える必要があります。

例えば、誰かが今、あなたにコーヒーを持ってきたとしたら「ありがとうございます」と言います。コーヒーをもらったのが昨日の出来事であれば、「昨日はありがとうございました」と過去の表現に変わります。

 


申し訳ございません(でした)

直訳: I have no excuse to say

英訳: I am terribly so sorry, there are no words to express my regret, I’m sorry I have no excuse for my actions

意味: 「申し訳ございません」の文章の中に <ごめんなさい> という単語は含まれていませんが、起こった出来事に対して言い訳がないこと、間違っていたことを認めている、と示す言葉です。

さらに深くお詫びをする場合には、<誠に申し訳ございません(でした)> を使います。

 

会社の仲間と食事をするときに使う日本語

いただきます

直訳: To receive

英訳: Let’s eat, Dig in, I’m going to eat

意味: 英語ではこの表現がないため、あえて言うならば、上記のような訳になります。英語では食事をする際、<Enjoy your meal>と相手に向かって言いますが、自分自身に対して使うことはありませんので、この表現も日本独特と考えられます。

 


ごちそうさまでした

直訳: It was a treat, it was a feast

英訳: Thank you for the meal, that was delicious, thank you for paying for lunch/dinner (any type of food)

日本語の「ごちそうさまでした」は、食事を終えた後に自分や相手に対して使う場合と、誰かに食事を支払ってもらった後に、ありがとうの意味も込めて使う場合の、2通りがあります。「いただきます」と「ごちそうさまでした」はセットで覚えると良いでしょう。

 

オフィスから外出・帰宅するときに使う日本語

行って参ります

                • 直訳: I’m going (and coming)

英訳: See you later, I’ll be back

就業時間の途中でオフィスを離れるときに使う言葉で、外出後に帰社するしないに関わらず、どちらの場合にも使います。オフィスにいる人たちに自分が外出することを伝えるために使う言葉です。

 


ただいま戻りました

直訳: I’m back

英訳: This is a polite way to say that I have come back after going outside the office for an errand, meeting, or appointment.

外出して戻ってきたときに使う言葉で、オフィスにいる人たちに、自分が帰社したことを伝える言葉です。


お帰りなさい

直訳: to do return

英訳: Welcome back

本来の意味: 文字通りに訳そうとするととても難しい表現の言葉です。「出かけていた人が無事に戻ってきた」ことに対する言葉で、「ようこそお帰りになりました」という歓迎の意味を持ちます。

 


お先に失礼します

直訳: Excuse me for leaving early

英訳: See you tomorrow. Have a good evening. I'm gonna go home. I'm leaving for today. See you next week.

直訳からの意味: 直訳すると、「失礼します、あなたより先に帰ります」という意味になります。最近は残業時間を減らそうとする動きが大きくなりましたが、日本では昔から残業する人が多く、上司や周りで働いている人たちより早い時間に帰宅することが、失礼とみなされていたことがありました。オフィスにいる人に、自分が相手よりも先に帰ることを伝える言葉で、言われた相手は「おつかれさまです(した)」と声をかけます。

 

これらの日本語を外国人が学ぶ際、英語から直訳すると非常に難しいため、英語での言い回し(英訳)とセットで覚える方法が一番です。

 


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