日本のマンションの寿命は? 何年くらい住めるのか?
中古マンションの購入を検討するにあたり、このマンションはあとどれくらい住めるのか?気にされる方は多いと思います。
築古のマンションは、物件価格が安く、立地が良いものであれば、投資目的としても魅力的ですし、築40年以上のフルリノベーションされた見た目にも綺麗な物件は、現在多く市場に出回っています。
外国では築100年を超えるヴィンテージマンションが数多く現存しています。 では日本のマンションの寿命は何年くらいなのでしょうか?
日本のマンションの歴史と現状
地震のないニューヨークやヨーロッパには築100年を超えるヴィンテージマンションが現存していますが、日本のマンションの歴史は浅く、まだそのようなマンションはありません。日本に最初の民間分譲マンションが建築されたのは1956年、約60年前になります。1962年には「建物の区分所有等に関する法律」が制定され、以降、マンションは日本における一般家庭の居住形態として普及していきました。
国土交通省のデータによると、2013年時における築年別マンション戸数は築30年超~40年未満(1973~1983年築)が97万戸、築40年超~50年未満(1963~1973年築)が31万戸、築50年超(~1963年築)が1万戸になります。日本のマンションストック総数の590万戸(2012年末時点)のうち約22%のマンションが築30年以上ということになります。
鉄筋コンクリート造としての寿命は?
鉄筋コンクリート造の建築物の寿命についての既往の研究例では、固定資産台帳の滅失データを基に、平均寿命を推計した結果、鉄筋コンクリート系住宅の寿命を68年と推定したものがあります。その他「鉄筋コンクリート造建物の物理的寿命を117年と推定」「鉄筋コンクリート部材の効用持続年数として、一般建物の耐用年数は120年、外装仕上により延命し耐用年数は150年」とする知見もあり、優に100年以上の耐久性があると考えられているようです。ちなみに、税法上定められた耐用年数(固定資産としての使用可能年数)は、鉄筋コンクリート造は47年です。
また、2000年に住宅性能表示制度が導入されたことにより、2000年以降のマンションの多くは、等級によりおおむね50~60年、75~90年はもつレベルの耐久性があると認定されています。
建て替えされたマンションの築年数は?
2013年4月における国土交通省のデータでは、マンションの建て替えの実績は合計で183件、約14,000戸しかありません。これはマンションストック総数の0.23%ほどになります。ほとんどのマンションは建替えられていないのが現状です。
また東京カンテイによる2014年時点のデータでは全国で建て替えられた198件のマンションにおける「建て替えられたマンションの寿命(築年数)」は全国平均で33.4年、東京、大阪では平均約40年とあります。築年数別で見ると、最も多いのが「30年以上40年未満」で36.5%、続いて「40年以上50年未満」は23.7%「20年以上30年未満」は23.2%になります。これらは何らかの事情で建替えされたわけですが、その年数には大きな差があることがわかります。
以上のように、日本のマンションの寿命については様々なデータや見解があり一概に何年とは言えません。実際にマンションが建替えられる際には、管理組合(区分所有者)においてマンションの抱える諸問題について、修繕で対応するか建替えするのかを検討し、建替えの決議を経て実施されます。マンションの寿命は、区分所有者の判断に委ねられていると言えます。