外国人が日本で会社設立・起業するには

Poste date: 2022年10月21日

海外で法人経営をしている外国人が日本市場でビジネスを展開したい場合、(1)駐在所を作る、(2)日本支社を設立、(3)子会社(または日本法人)を設立 、の3つの方法があります。駐在所は日本で市場調査などをするためのものであり、営業活動(収益を得る活動)は禁止されています。 

また、外国人が日本で新しくビジネスを始める場合には、法人会社を設立し、ビザを取得する必要があります。近年新設された "スタートアップビザ(Start-Up VISA)"は、指定された行政(下記参照)で申請可能で、日本で起業したい外国人にとって、手続きが比較的易しくなりました。

以下、ビザの種類(4ヶ月の経営管理ビザ、Start-Up ビザ)、会社設立に必要なもの、法人の種類、会社をどこで登録するのかなど、外国人が日本で会社を設立、起業するのに必要な情報を記載ました。

日本で開業(法人登記)するために必要なこと

1. 会社の住所登録

会社の住所登録には、 バーチャルオフィスやレンタルオフィス、自宅住所を使うことは基本的に難しいため、しっかりとした賃貸契約をしたオフィスの住所を登録することが望ましいとされています。なお、JETROが家具付きオフィスを提供しており、条件を満たせば50日間無料で利用することができます。

2. 下記のいずれかの条件に適合すること

[a] その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する二人以上の常勤の職員(法別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)が従事して営まれるものであること。
[b] 資本金の額又は出資の総額が500万円以上であること。
[c] a又はbに準ずる規模であると認められるものであること。

詳しい詳細は下記機関にお問合せください
入国管理局
海外の日本大使館

外国人が日本で起業するのに必要なビザとは

外国人が日本で起業するためにはビザが必要です。日本のビザをまだ取得していない場合には、「4ヶ月の経営管理ビザ」、もしくは東京都や福岡市など一部の地域が発給している「スタートアップビザ」が必要となります。

現在すでに他のビザを持っている場合には、今のビザで会社設立ができるのか、もしくは別のビザが新たに必要になるのか、事前に調べる必要があります。

短期滞在の90日間のビザでも、利益を得る活動でなければビジネスの準備活動をすることは可能です。詳細は 外務省のページ でご確認ください。

4ヶ月の経営管理ビザ と スタートアップビザ

1) 4ヶ月の経営管理ビザ取得方法

「4ヶ月の経営管理ビザ」は2015年4月に新設されたビザです。日本で起業する準備をしていることをしっかりと証明することができ、承認がされれば、このビザを取得し、来日後すぐにビジネスをスタートすることができます。このビザは、日本に到着する前に取得しますので、来日前に、海外から日本の移民管理局に必要書類を提出して準備します。

「4ヶ月経営管理ビザ」はその名の通り4ヶ月間有効で、下記のことを行えます。

・住民票の取得(登録できる住所が必要です)
・銀行口座開設
・法人登記

ビザの期限の4ヶ月間を使って日本で会社を設立し、許可が下りれば、1年間有効の経営管理ビザに延長することが可能です。

2) Start-Up Visa(スタートアップビザ) の取得方法

スタートアップビザは、外国人起業家を増やすことと、規制を緩和することで彼らの手続きをスムーズすることを目的とされたビザで、東京都や福岡市など、国から認可を受けた一部の地域で発給されているビザです。有効期限は6ヶ月です。

2022年3月の時点で、東京都広島県愛知県仙台市新潟市福岡市その他の地域で施行されています。

このビザを取得するには、まずは上記いずれかの地域事務所にビジネスプランを含む必要書類を提出します。書類は全て日本語での記入が必要です。書類の審査を通過すると、推薦状が発行されます。その推薦状を入国管理局に提出してビザの申請、問題がなければビザの発給となります。

上述の通り、このビザの有効期限は6ヶ月ですので、4ヶ月の経営管理ビザに比べ、2ヶ月も余裕があります。その間にしっかりと会社設立の準備をすることができます。その後審査を通過すると、さらに6ヶ月の期間が延長されます。

以下、東京都の公式サイトからの引用です。

 

外国人が日本で創業する場合、「経営・管理」の在留資格の取得が必要です。この在留資格の取得には、現行制度上、入国の際に、事務所の開設に加え、常勤2名以上の雇用又は500万円以上の国内での投資等の要件を満たしている必要があります。

これらの要件を満たすためには、ビジネスパートナーの確保、事務所の賃貸契約等の準備活動を入国前に行う必要があり、外国人が国内のパートナーなしに、一人で創業することは極めて困難となっています。

今回の特区のスキームでは、入国管理局の審査前に、東京都が事業計画等の確認を行うことで、特例的に6か月間の在留資格が認められます。創業人材は、この6か月を活用することで、国内にいながら様々な準備活動を行うことができるようになります。

また、外国人が半年後に要件を満たして在留資格を更新できるよう、「ビジネスコンシェルジュ東京」を活用し、独自の支援を行っていきます。

 

スタートアップビザは6ヶ月間有効で、下記のことを行えます。

・住民票の取得(登録できる住所が必要です)
・銀行口座開設
・法人登記

Start-Up Visaに関する詳細は、下記各機関にお問合せください。

東京都
愛知県
広島県
仙台市
新潟市
福岡市
その他のエリア(北海道、大阪など)

現在他のビザを保有している場合

すでにビザを保有し日本に在住してる場合、 ビザの期限がある内に、会社を設立(起業)することは可能です。その後ビザの種類を変える必要がある場合があります。手続きの方法やビザの変更義務の有無、変更後にどのような影響があるかなど現在保有しているビザによりますので、会社を設立する前に、 入国管理局 または専門家に相談することをおすすめします。

日本の法人の種類

日本の法人は4つの種類に分かれています。株式会社、合同会社、合名会社と合資会社です。株式会社と合同会社のいずれかを選択する企業が多くみられます。合同会社は「有限会社」の名称を変更したもので、現在有限会社の登録はできません。外国に法人がある場合は、日本支社を設立することも可能です。

認可が必要な業種

開業に関して特別な認可が必要となる場合があります。

例)食品取扱業者、旅行業、人材派遣会社、ホテル、酒類販売会社、金融関係、薬品関係など。

その他詳細は、下記JETROのページをご覧下さい。

Representative Office, Branch Office and Subsidiary Company
Comparison on of Types of Business Operation

東京で法人設立や税務書類提出はどこでできる?

東京開業ワンストップセンター

東京開業ワンストップセンター で、開業に必要な様々なことを一度で済ませることができます。また、中小企業診断士による無料のコンサルや書類のチェックをしてもらうこともできます。

申請受付書類

・定款認証 
・法人設立登記
・税務 (国税、都税)
・入国管理
・雇用保険
・労働保険
・健康保険
・厚生年金保険

東京開業ワンストップセンターのオフィス

お問合せ先一覧表

・赤坂アーク森ビル

東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)本部7階
TEL: 03-3582-4934

・渋谷サテライトセンター

東京都渋谷区道玄坂一丁目10番8号渋谷道玄坂東急ビル1階
TEL: 03-5489-4630

・丸の内サテライトセンター

東京都千代田区丸の内 2-1-1
明治安田生命ビル内 
TOKYO 創業ステーション 2 階
TEL: 03-6259-1882

外国人在留支援センター

東京、四谷にある外国人在留支援センター(FRESC - フレスク)には以下8つの機関が1つのフロアーに集まっています。

・出入国在留管理庁
・日本貿易振興機構(ジェトロ)
・東京出入国在留管理局
・外務省 ビザ・インフォメーション
・東京法務局人権擁護部
・東京労働局外国人特別相談・支援室
・日本司法支援センター(法テラス)
・東京外国人雇用サービスセンター

 

FRESC

東京都新宿区四谷1-6-1 四谷タワー13F
TEL: 0570-011000 / 03-5363-3013
アクセス:四谷駅徒歩1分
http://www.moj.go.jp/isa/content/930005925.pdf

個人名か法人名どちらで不動産投資をするのか

外国人が日本で不動産投資をする際、個人名、法人名のどちらで投資したらよいのか、それぞれのメリット、デメリットなど、下記リンク先ページで説明しています(英語)。

Individual vs Corporate Investment Property Ownership

外国人が日本で会社設立・起業する際に役立つ英語のサイト

・法人設立に関する法律や規定など
  How to Set Up Business in Japan by JETRO

・JETROが提供する家具付きの無料オフィス。条件を満たせば50日間無料で利用できます。
  JETRO Office Space for Free

・東京圏雇用労働相談センター
  Tokyo Employment Consultant

・VISAについて (Ministry of Foreign Affairs of Japan)

・Start-Up Visa (Ministry of Foreign Affairs of Japan)

・入国管理局

・海外の日本大使館

・Branch Office and Subsidiary Company

・Comparison of Types of Business Operation

外国人の会社設立・起業に関してのスペシャリストがいる弁護士事務所やサポート企業があるほか、専門家のサポートを受けた方がビザの取得がスムーズな場合もあります。

 

  • 外国人居住者とマイナンバー制度

    マイナンバー制度について、ここでは主に外国人の中長期滞在者に関してご案内をさせていただきます。 中長期在留者(入管法上の在留資格をもって我が国に3ヶ月以上の中長期間在留する外国人)や特別永住者などの外国人の方は、住民票を有しており、マイナンバーが割り当てられます。 マイナンバーの用途、取り扱いについての注意、紛失時等の対応、外国人を雇用する企業の担当者向けの案内を詳しく説明しております。英語の説明へのリンクもございます。
  • 在留管理制度・外国人の住民登録について

    外国人が日本に在留する場合、「在留管理制度」についての理解が必要になります。 これは法務省入国管理局が外国人の在留状況を継続的に把握する制度です。 ここでは、在留管理制度の概要、外国人のための住民登録の方法、在留カード等についてまとめました。
  • 外国人向け - 国勢調査について

    国勢調査とは、日本に住む全ての人・世帯を対象として5年に1度行われる国の最も重要な統計調査です。今年、2020年は国勢調査の年であり、締切日は10月7日(水)までとなっており、外国人も対象となり、英語等の外国語で回答する事も可能です。
  • 家賃補助:住居確保給付金とは

    ​離職またはやむを得ない休業等により経済的に困窮している人を対象として住宅費を支給する『住居確保給付金』は、新型コロナウイルス感染症により一部規定が緩和されました。休業等に伴う収入減少により、離職や廃業に至っていなくても、住居を失うおそれが生じている人に対しても一定期間家賃相当額が支給されるようになりました。​
  • 新型コロナウィルス対応:日本の現在の状況と対策

    日本政府の新型コロナウィルスに関する対応、企業活動、学校等の対応、活動、公共機関の状況についてのまとめ。日本に赴任予定、帰国予定の人にも役立つ情報。