東京の洪水・水害ハザードマップと災害情報

Poste date: 2021年8月2日

日本は、世界でも雨が多い地域の1つであるモンスーンアジアの東端に位置し、年間平均降水量は1718 mmで、これは世界平均(880 mm)の約2倍です。

また、日本の降水量は季節によって大きく変動し、雨季と台風シーズンに集中しています。 たとえば、東京の月平均降雨量は9月が208.5 mmで最も雨の多い月であり、12月は39.6 mmで1年で最も雨が少ない月となっています。

雨の強さと降り方・用語定義

 

1時間雨量(mm)

予報用語

人の受けるイメージ その他状況
10 - 20未満 やや強い雨 ザーザーと降る 地面からの跳ね返りで足元がぬれる
雨の音で話し声が良く聞き取れない
地面一面に水たまりができる
20 - 30未満 強い雨 どしゃ降り 傘をさしていてもぬれる
寝ている人の半数くらいが雨に気がつく
地面一面に水たまりができる
ワイパーを速くしても見づらい
30 - 50未満 激しい雨 バケツをひっくり返したように降る 傘をさしていてもぬれる。
寝ている人の半数くらいが雨に気がつく
道路が川のようになる
高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが効かなくなる(ハイドロプレーニング現象)
50 - 80未満 非常に激しい雨 滝のように降る(ゴーゴーと降り続く) 傘は全く役に立たなくなる
寝ている人の半数くらいが雨に気がつく
水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる
車の運転は危険
80以上 猛烈な雨 息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる 傘は全く役に立たなくなる
寝ている人の半数くらいが雨に気がつく
水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる
車の運転は危険

出典:「気象庁ホームページ」

ゲリラ豪雨とは

局地的な豪雨、短時間の局所的な土砂降りのことを日本では"ゲリラ豪雨"と呼びます。

近年、東京ではゲリラ豪雨が増加しています。このタイプの豪雨は予想外に強く、どこで発生するかを正確に予測することが非常に困難です。下水道や小さな川が溢れ出し、深刻な被害を引き起こす可能性があります。

住宅地より高い所を流れる日本の河川

日本の住宅地の多くは、洪水時の川の水位よりも低くなっています。 川沿いに高い堤防が建設されていますが、これらの堤防が壊れると人々に甚大な被害をもたらす可能性があります。

 

東京の河川水位(江戸川 / 荒川 / 隅田川)


出典:国土交通省資料

 

ロンドンの河川水位


出典:国土交通省資料

 

パリの河川水位


出典:国土交通省資料

 

ニューヨークの河川水位


出典:国土交通省資料

東京の主な河川と洪水のリスク

 

東京には、江戸川、荒川、中川、隅田川、神田川、目黒川、神田川、多摩川などの河川がいくつかあります。

国土交通省によると、洪水浸水想定区域(想定最大希望・計画規模)は下の画像に示されている通りです。色の付いたエリアは河川の洪水が予想される地域です。

 

出典:国土交通省ホームページより

注意点(上記サイトより): このシミュレーションの実施にあたっては、支川の氾濫、シミュレーションの前提となる降雨を超える規模の降雨、高潮及び内水による氾濫等を考慮していませんので、この浸水想定区域に指定されていない区域においても浸水が発生する場合や想定される水深が実際の浸水深と異なる場合があります。

内水氾濫とは?

川や沿岸の洪水(外水氾濫)とは別に、「内水氾濫と呼ばれる洪水があります。内水氾濫は市街地に降った豪雨によって引き起こされ、大雨が地表に溢れている状態を意味します。集中した豪雨が降ると、排水溝や下水道だけでは水を排出しきれなくなります。また、支流が合流する地域で主要河川の水位が上昇すると、河川の水は中小河川(支流)に逆流することがあります。

日本の内水氾濫による被害は、全ての洪水の約50%程ですが、東京で起こった洪水の約80%は内水氾濫によるものです。堤防が発達している都市部では、内水氾濫が新たな問題となっています。

2019年の台風19号では内水氾濫が発生し、武蔵小杉駅周辺で被害が発生しました。 多摩川の増加した水が下水道を通って逆流し、市内に溢れたことが原因です。

 


出典:国土交通省HP

首都圏外郭放水路(しゅとけんがいかくほうすいろ)

首都圏外郭放水路

首都圏外郭放水路(しゅとけんがいかくほうすいろ)は、世界最大級の地下放水路で、洪水を防ぐために建設されました。長さ約6.3 km、直径約10m、深さ約50mで、埼玉県春日部市の大落古利根川から国道16号の地下50mにあります。その造りから、防災地下神殿とも呼ばれています。

中小河川が一定水位を超えるとこの水の一部が江戸川に排水されます。首都圏外郭放水路が完成したことで、周辺地域で浸水する家屋の数や被害が大幅に減少しました。

首都圏外郭放水路はウォーキングツアーがあり見学することもできます。詳細は下のリンクをご参照ください。

・ 首都圏外郭放水路

・ ウォーキング見学ツアー

洪水・土砂災害警報システムと防災情報 

住民が取るべき行動を直感的に理解しやすくなるように、防災情報は5段階の警戒レベルを明記して提供されるようになっています。

防災情報は、地方自治体と気象庁が公開しています。 地方自治体が避難勧告(警告レベル4)、または避難準備・高齢者の避難(警告レベル3)を発行したら、直ちに行動を起こしてください。 避難する場合、必ずしも事前に指定された避難場所に行く必要はありませんが、近くの頑丈な建物の上層階に避難して、川や崖から離れることを検討します。何よりも状況に応じて行動することが重要です。

参考:気象庁「防災気象情報と警戒レベルとの対応について」

防災関連の警戒レベル

警戒レベル4までに避難しましょう。詳細は画像をクリックして内閣府のPDFをご参照ください。

水害時の避難の方法

詳細は画像をクリックして内閣府のPDFをご参照ください。

東京の水害・災害ハザードマップ 

 

東京都内全てのエリアの水害ハザードマップ

エリア別水害ハザードマップ

 

東京都発行の冊子

東京防災

東京くらし防災(女性向け冊子)

 

英語で発行されているハザードマップ 

港区

ハザードマップ

 

江戸川区
ハザードマップ

 

板橋区

ハザードマップ

 

江東区

ハザードマップ1
ハザードマップ2

 

目黒区

ハザードマップ1
ハザードマップ2

 

新宿区

Being Ready for a Flood in Urban Areas

 

杉並区

ハザードマップ

 

墨田区

ハザードマップ冊子
ハザードマップ

その他英語で役立つ災害関連のサイト

・Japan Typhoon Season: How to Prepare for a Disaster

・Useful Free Apps and Websites to Protect You from Natural Disasters in Japan​

・Emergency Free Wi-Fi Service 00000JAPAN

・Emergency Evacuation Backpack for Natural Disasters in Japan

・What to do in Case of an Earthquake: Safety and Evacuation

 

  • 日本の震度表示について

    日本では独自の震度階級(JMA)が使われており、日本人が一般的に理解している地震の震度については、他国の人々は理解できません。 日本に居住している外国人は、日本の震度についての理解が必要かと思われます。 日本の震度表示についての分かりやすい説明、外国人向けに英語表示へのリンクをご紹介しております。
  • 日本の警報システム Jアラートについて

    日本に住む外国人の方々も、万が一の災害や弾道ミサイル落下などの有事に備え、Jアラートシステムについて理解しておくことをお薦めさせていただきます。
  • 防災グッズ:避難用バッグに必要なもの

    非常時持ち出し品準備のお薦め。 地震、火災、津波、ライフラインの断絶等、非常時に備えてすぐに持ち出せる避難用バッグを準備しておく事をお薦めします。 自分や家族のサバイバルに必要なものは何か? 在日外国人の方向に英訳ページへのリンクもあります。
  • 東京都心の避難場所、避難所

    災害時における東京都心の避難場所、避難所をご案内致します。避難の流れ、各区の避難場所マップ、英語の避難所MAPへのリンクもご案内しております。