老朽化マンションの建て替え - 建て替え理由、計画、決議

Poste date: 2018年1月25日

1960年代以降日本で広く普及したマンションですが、現在そのほとんどが建替えられず残っています。日本のマンションの寿命については様々なデータや見解があり一概に何年とは言えませんが、マンションの耐震性不足、コンクリートの劣化、設備、配線の老朽化などの問題を抱え、建替えるべき時期を迎えているにも関わらず、建替えされていないマンションが多いのも事実です。ここでは老朽化したマンションの抱える問題、建て替えの基準、建て替えのプロセスについてご案内いたします。


老朽化マンションの抱える問題

日本は地震大国ですので、築年数の古いマンションはその耐震性が問題になってきます。特に1981年6月の耐震基準改正より前の旧耐震基準で建てられた建物で、耐震診断の結果、耐震性が不足しているマンションは、地震被害の観点より耐震補強や建替えが必要とされています。また、昨今の新築マンションに比べて居住性能が低く現代のニーズにあわないマンションは、空室住居が増加し、管理組合の運営、マンションの維持管理にも支障が出てしまいます。

以下は、実際に建て替えを行ったマンションの建て替えた理由です。

  • 耐震診断結果の耐震性不足が指摘された、防火基準不適格であった
  • 建物にエレベーターが設置されていない
  • 高齢化に対応したバリアフリーがなされていない
  • 設備が古い、電気容量が少ない
  • 給排水管の漏水事故が多発した
  • 天井が低く間取りが現代の住環境にあっていない
  • 空室、賃貸の増加により、近い将来管理組合の運営が困難になることが予想される


マンション建替えのプロセス

上記のような問題を背景に、管理組合でマンション建替えについて検討を進めていきますが、プロセスは大きく4つの段階に分かれています。

(1) 準備段階

区分所有者の有志がマンション再生について、建替えの必要性を含め基礎的な勉強、検討を行い、管理組合として建替えの検討を行う合意を得ます。

(2) 検討段階

管理組合において、耐震診断の結果や建替えの専門家の意見を参考に、建替えが必要か、修繕・改修を行うか、費用対効果も含め比較検討し、管理組合として建替えを必要として計画することの合意を得ます。

(3) 計画段階

マンションディベロッパーを選定し、マンション建替計画を作成して、具体的な費用、工事内容を明確にしていきます。区分所有者の合意を得られるよう個別面談等を重ね、区分所有法に基づく建替え決議によって建替えの実施を決定します。決議には区分所有者の4/5以上の賛成が必要です。

(4) 実施段階

マンション建替え円滑化法に基づき、マンション建替組合の設立や権利変換計画(新しいマンションの権利関係について定めたもの)を作成し、マンションの取り壊し、新しいマンションの建設に着手します。新しいマンションへ入居し、新しい管理組合を設立して、マンション建替え事業の完結となります。

以上のプロセスを経て建て替えが実施されていくわけですが、各段階で区分所有者の合意形成を図ることが求められます。一番の問題が各戸の費用負担です。建て替えには、建物の解体、建設、建設中の住まいの確保等相当な費用がかかります。若い世代から高齢者の方までライフスタイルの違う様々な世代の区分所有者がいますので、建替に対する意識の差や、金銭面で負担を理由に、建て替えについて合意を得るのが難しいのが実情のようです。建て替えが実施されたマンションでも検討から完了まで4,5年、長い場合は20年ほどかかっている物件もあります。


老朽化マンションの建て替え - 建て替え事例、諸問題