日本のリゾート会員権の種類と選び方|メリット・デメリットも紹介
旅行スタイルの多様化に伴い、自分だけの“特別な場所”を持つ方法として注目されている「リゾート会員権」。一度の契約で全国のリゾート施設を会員価格で利用できる仕組みは、別荘よりも手軽で、利便性も高いと人気です。
ただし、リゾート会員権にはいくつかの種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。代表的な契約形態として「所有権型」「利用権型」「ポイント制」、そして「タイムシェア制度」などが挙げられますが、実際には会社ごとに独自のシステムを導入しているケースもあり、すべてがこの分類に当てはまるとは限りません。
ここでは、それぞれの基本的な特徴について詳しく紹介します。
リゾート会員権の基本的な仕組み
リゾート会員権とは、リゾート施設を会員価格で、優先的に利用できる「権利」のことです。契約者は、ホテル、コンドミニアム、別荘などの施設を、年間を通じて一定の条件で利用できます。契約形態によって、費用感や利用方法、資産性が大きく異なるのが特徴です。
資産性を重視するなら「所有権型」
*所有権型には、共有制とオーナーズクラブ型とで細かく分かれ、土地の所有権や不動産登記、転売や相続の可能性、利用日の割り当てなど、細かい点が異なる場合があります。
特徴
・リゾート施設の土地や建物の一部を実際に共有所有する形式
・不動産登記がなされ、資産として保有可能
メリット
・不動産資産として長期保有が可能
・将来的に転売や相続も視野に入れられる
デメリット
・初期費用が高額(購入費用・登記費用・固定資産税など)
・利用日は事前に割り当てられるため、柔軟性が低い
・土日やトップシーズンには希望日に宿泊できない場合も
向いている人
・資産として保有したい人
・定期的に計画的な休暇が取れる人
柔軟に使いたい人向けの「利用権型(預託金制・入会金制)」
細かい部分で異なることはありますが、メンバークラブ制と呼ばれることもあります。
特徴
・不動産の所有はせず、施設を一定期間利用できる権利を取得
・「預託金制」や「入会金制」が一般的
・契約期間が設けられている場合が多い
メリット
・初期費用を抑えやすい(預託金・入会金)
・不動産取得税や固定資産税が不要
・自由に予約できるため、スケジュールに柔軟性がある
デメリット
・不動産としての資産性はなし
・繁忙期には予約が取りづらいことも
・預託金は無利息で据え置き期間終了後に返還されるケースが多い
向いている人
・気軽にリゾートライフを楽しみたい人
・コストを抑えて柔軟に旅行を楽しみたい人
自由な旅行計画を立てたい人に人気「ポイント制」
特徴
・毎年付与されるポイントを使って宿泊予約をする方式
・利用する時期や施設によって必要ポイント数が変動
・宿泊以外にもレストラン、スパなどのサービスに使える場合も
メリット
・繁忙期を避ければ、年間を通して計画的に利用可能
・宿泊日を自分で選べる高い自由度
・資産にはならないが、利便性を重視する人に最適
デメリット
・ポイントの有効期限や繰り越し制限がある場合も
・人気施設・時期はポイント消費が大きくなる
向いている人
・自由なスケジュールでリゾートを楽しみたい人
・資産性よりも効率的な利用を重視する人
所有権型リゾート会員権
特徴
・不動産の所有権を購入する形でリゾート施設を利用するシステム
・年間利用日数を選んで購入し、利用しない期間は施設を貸し出して収益を得ることも可能
メリット
・所有権として資産価値を持ち、将来的に売却可能
・清掃や管理がリゾート側で行われ、手間をかけずに快適に過ごせる
・他のリゾート施設との相互利用が可能で、柔軟なリゾートライフを楽しめる
・利用しない期間はホテルとして貸し出し、収益化できる可能性も
デメリット
・初期費用が高額で、手軽に始めることが難しい
・購入後も管理費や維持費が必要で、コストがかかる
向いている人
・資産としてリゾート施設を保有したい人
・定期的にリゾート施設を利用したい人
決まった期間を使いたいなら「タイムシェア制度」も注目
特徴
・1年間のうち決まった週や日数を保有し、その期間だけ施設を利用可能
・海外でも一般的な「バケーション・オーナーシップ」方式
メリット
・毎年決まった期間に利用できるため予定が立てやすい
・一部の制度では他の会員と利用週の交換も可能
デメリット
・急な予定変更には対応しづらい
・トップシーズンの利用には追加費用や抽選制がある場合も
個人会員権と法人会員権
個人会員権は、主に家族や個人のライフスタイルに合わせた利用ができる会員権です。これにより、家族全員での休暇やリフレッシュの時間を過ごすことが可能です。個人の趣味や特別なプライベートな時間を大切にしたい方にとって、最適な選択肢となります。例えば、週末の家族旅行や、長期の休暇に利用することで、仕事の疲れを癒し、心身ともにリフレッシュできるのが大きな魅力です。
一方、法人会員権は企業の福利厚生として提供されることが多く、従業員が特典として利用できます。この会員権は、企業が従業員の働きやすさや福利厚生の一環として導入し、社員が休暇やリフレッシュのために活用することができます。法人会員権の大きな利点は、従業員のモチベーション向上や、企業文化の形成にも繋がる点です。企業が福利厚生の一部として提供することで、社員間のつながりを強化したり、仕事の効率を高めるためのリフレッシュの場を提供することができます。
契約前に確認すべき5つのチェックポイント
1. 契約形態の違い:所有権型か利用権型か、自分のスタイルに合っているか
所有権型は物件を自分のものにでき、長期的に利用できます。初期費用が高いですが、資産としての価値も期待できます。利用権型は、権利を購入して利用する方法で、初期費用が抑えられ、柔軟に使えますが、資産にはなりません。
2. 費用の全体像:初期費用・年会費・維持費・税金などの総コスト
初期費用は契約時に必要な一時的な支出で、年会費や維持費が定期的にかかります。税金も忘れずに考慮する必要があります。
3. 利用方法の自由度:予約制・抽選制・ポイント制などの違い
予約制は基本的に自分の希望に合わせて利用できますが、繁忙期には予約枠が限られることがあります。抽選制は利用希望が多い場合、希望通りに利用できる保証はありません。ポイント制は貯めたポイントでお得に利用できますが、ポイント使用可能なタイミングが制限されることもあります。
4. 施設の立地と内容:自分の行きたい地域や施設の質
施設が自分の行きたい地域にあるか、また施設の質(設備やサービス)が満足できるかは重要なポイントです。
5. 将来的な価値:転売・相続・退会時の返金なども含めた長期的視点
所有権型は将来転売や相続が可能ですが、利用権型は返金の有無や契約解除時の条件を確認しておくことが大切です。
ライフスタイルに合ったリゾート会員権を選びましょう
リゾート会員権を選ぶ際は、資産性、費用、自由度、利便性など、さまざまな視点から検討することが重要です。「どのくらいの頻度で利用したいか」「どこに行きたいか」「資産としての価値を重視するか」など、自分のライフスタイルや価値観に合った最適な会員権を選ぶことで、より充実したリゾートライフを楽しむことができます。
リゾート会員権の比較(*さまざまなタイプが提供されているため、必ずしもこの用語や詳細にすべて当てはまるわけではありません)
特徴・項目 | 所有権型 | 利用権型(預託金・入会金制) | ポイント制 |
資産性 | ✔ 不動産登記、資産保有 | ✖ 資産にはならない | ✖ 資産にはならない |
初期費用 | 高額 | 低い | 中程度 |
固定資産税等 | ✔ 必要 | ✖ 不要 | ✖ 不要 |
利用日の柔軟性 | ✖ 事前割り当て | ✔ 柔軟に予約可能 | ✔ 自由に選べる |
転売・相続 | ✔ 可能 | ✖ 不可能 | ✖ 不可能 |
人気シーズンの予約 | ✖ 予約が取りづらい | ✖ 繁忙期は取りづらい | ✖ 人気時期は高ポイント |
向いている人 | 資産として保有したい人 | 柔軟に利用したい人 | 自由に利用したい人 |
外国人におすすめのリゾート会員権
日本に住んでいる外国人の場合、リゾート会員権を選ぶ際には、英語でのサポートを提供している会社を見つけることが特に重要です。日本語が不安な方でも、スタッフが英語で対応してくれるリゾート会員権会社を選ぶことで、安心して利用することができます。施設の予約、契約内容の確認、さらにはトラブル対応まで、スムーズに進めることができますので、英語サポートの有無を確認しましょう。

- 東京都心の高級サービスアパートメント
- 短期から長期滞在まで最適なサービスアパートメント - 家具・家電・サービス完備