不動産の相続登記が義務化に!

Post date: 2023年12月28日

202441日から不動産の相続登記の申請が義務化される事になり、行わない場合には、罰則が科せられることになりました。従来は、費用がかかる、手続きが面倒、行わなくても罰則が無い等の理由により、不動産の相続登記の手続きをしない方も多くいらっしゃいましたが、今後は注意が必要となります。そこで今回は、相続登記について改正点も含めて詳しくご説明致します。

相続登記とは?

日本の不動産の名義人は、法務局で管理されている登記簿に記録されています。相続した不動産の名義を、被相続人(亡くなった方)から相続人の名義に変更すること、具体的には、相続を原因とする所有権移転登記の申請書を対象不動産の所在地を管轄する法務局に申請することです。

相続登記がなぜ義務化されるのか?

相続登記がされていない為、登記簿を見ても所有者がわからない「所有者不明土地」が全国的に増加し、防災・減災・まちづくりなどの公共事業等を妨げていたり、周辺環境の悪化の原因になるなど、社会問題となっています。その問題を解決する為に、これまで任意であった相続登記を義務化することになりました。

所有者不明土地

・不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地

・所有者が判明しても、その所在が不明で連絡が付かない土地

相続登記義務化の内容

・相続により(遺言による場合を含みます。)不動産を取得した相続人は、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請が必要となります。

・遺産分割協議の成立により、不動産を取得した相続人は、遺産分割協議が成立した日から3年以内に、その内容を踏まえた登記の申請が必要となります。(遺産分割が成立していない場合は、相続登記に先立ち「相続人申告登記」を、相続財産の中に不動産がある事を知った日から3年以内に申請する必要があります。その後、遺産分割協議の成立後3年以内に、相続登記をする事が必要になります。)

・正当な理由がないにもかかわらず相続登記の申請をしなかった場合には、10万円以下の過料が科されることがあります。

*正当な理由とは(法務省通達より抜粋)

(1) 相続登記等の申請義務に係る相続について、相続人が極めて多数に上り、かつ、戸籍関係書類等の収集や他の相続人の把握等に多くの時間を要する場合

(2) 相続登記等の申請義務に係る相続について、遺言の有効性や遺産の範囲等が相続人等の間で争われているために相続不動産の帰属主体が明らかにならない場合

(3) 相続登記等の申請義務を負う者自身に重病その他これに準ずる事情がある場合

(4) 相続登記等の申請義務を負う者が配偶者からの暴力の防止及び被害 者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第2項に 規定する被害者その他これに準ずる者であり、その生命・心身に危害 が及ぶおそれがある状態にあって避難を余儀なくされている場合

(5) 相続登記等の申請義務を負う者が経済的に困窮しているために、登記の申請を行うために要する費用を負担する能力がない場合 

202441日より前に相続した不動産は、登記の必要はないのか?

改正法の施行日である202441日または、不動産を相続したことを知った時のいずれか遅い日から3年以内に申請する義務があります。

まとめ

猶予期間が3年間あるとはいえ、時間や労力が必要となる登記申請は、気の進まない作業かと思います。しかし、限られた国土を有効活用し、安心安全な生活環境を作る為には、不動産の所有者の把握は非常に重要な事ですので、今回の法改正により多くの方が相続登記の申請を行うようになることを期待したいと思います。

実際に申請が必要になった際には、ご自身で対応する事が難しい場合もあるかと思いますので、弁護士や司法書士等の専門家にご相談される事をお勧め致します。また、相続した不動産の活用法等につきましては、不動産会社にご相談して頂くことをお勧め致します。

202841日には、「不動産の所有権の登記名義人の氏名(本店・商号)や住所に変更があった場合には、その変更があった日から2年以内にその変更登記を行わなければならない」という法律も施行されます。不動産に係る法整備は今後も続くと思いますので、決定・変更がありましたら、随時ご説明したいと思います。

 

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