2022年日本の不動産市況動向
国土交通省では毎月「不動産価格指数」を公表しています。その最新版(2022年11月30日公表)を元に2022年の動きについてご説明致します。
「不動産価格指数」は、過去約30万件の不動産取引価格の情報をもとに算出されています。その情報源は、実際に不動産売買をおこなった人へのアンケート調査・登記移動情報・不動産鑑定士の現地調査となっています。
*公表されるデータはリアルタイムではなく、公表日と対象期間に3ヶ月程度のタイムラグがあります。(例 2022年11月30日公表されたデータは、2022年8月が対象期間)
1. 住宅・用途別不動産価格指数
データ出典:国土交通省
データ出典:国土交通省
住宅地の価格推移
基準年の2010年から横ばいの状態が続き、2020年の1月には一度基準値以下となりましたが、それ以降は上昇傾向となっており2022年も小幅な動きはありますが上昇傾向です。
地域別に対前月比(2022年7月分と8月分の比較)を見てみると、北海道、東北地方、北陸地方、中部地方、近畿地方は前月より下回っていますが、九州・沖縄地方は4%の上昇となっています。
戸建て住宅の価格推移
こちらも住宅地同様に、2010年からほぼ横ばいの状態が続きましたが、2020年から上昇に転じています。上昇率は住宅地より大きくなっています。
地域別に対前月比(2022年7月分と8月分の比較)を見てみると、北海道、近畿地方、九州・沖縄地方で前月より下回っていますが、北陸地方と四国地方は5%の上昇となっています。
マンションの価格推移
2013年から上昇し始め、2020年以降は著しく上昇しており、2010年から2022年で1.8倍以上上昇しています。ただし対前月比(2022年7月分と8月分の比較)で見てみると、全国値で若干数値が下がっており、地域別に見てみても北海道と中部以外は下落しています。しかしながら、あくまで月毎の集計ですので、マーケットの動向を判断するには来月以降のレポートも注視する必要があります。
商業用不動産・用途別不動産価格指数
データ出典:国土交通省
店舗・マンション及びアパート(一棟)・オフィスの価格推移
2012年以降、上下に変動はありますが全般的に上昇しています。2022年は、店舗は下降しており、オフィスとマンション・アパートは上昇傾向にあります。地域別の対前期比も全国値と同じ様な動きですが、南関東圏でオフィスが前期比12.5%増となっています。
倉庫の価格推移
2015年以降上昇し始め2018年に最高値になり、その後下落していますが2021年から再び上昇に転じ、2022年第2四半期には、2018年の数値とほほ同じまで上昇しそのまま上昇し続けています。
工場の価格推移
2021年の前半にかなり値を下げましたが、2021年末辺りから上昇に転じており、2022年も上昇し続けています。
商業地の価格推移
ほぼ横ばいの状態が続いておりますが、2020年以降少しずつ上昇しています。2022年は第1四半期から少し下がり始めています。南関東件では対前期比(2022年第1四半期と第2四半期の比較)-12.9%となっており、三大都市圏でも-5.1%となっています。
工業地の価格推移
2016年以降ほぼ横ばいの状態でしたが、2021年より上昇し始め2022年も上昇しています。対前期(2022年第1四半期と第2四半期の比較)では、南関東圏が4.8%と伸び率が一番大きくなっています。
2022年日本の不動産市況まとめ
表が示す通り、2022年住宅関連は小幅な動きはありますが上昇傾向でした。商業用不動産も、店舗・商業地を除き上昇傾向となっています。
不動産価格指数は毎月公表されますので、定期的に確認する事でマーケットの動向を知る事ができます。また指数の情報源ともなっている国土交通省の検索システム「土地総合情報システム」を使って、実際に行われた不動産の取引価格や地価公示、都道府県地価調査の価格を自分が知りたいエリアを指定して検索・閲覧する事が出来ます。ただし不動産取引を行った人へのアンケートをもとに作られた情報ですので、取引の少ない地域もあり、必ずしも正確なデータとなっているわけではありません。
【土地総合情報システム】
https://www.land.mlit.go.jp/webland/(日本語)
https://www.land.mlit.go.jp/webland_english/servlet/MainServlet(英語)
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