2023年公示地価―東京は住宅地・商業地とも2年連続の上昇
国土交通省が3月22日に発表した2023年1月1日時点の公示地価は、全国平均(全用途)が前年比1.6%上昇。上昇は2年連続となり、上昇率もリーマンショック前の08年(1.7%)に次ぐ水準となった。往来の回復や海外マネーの流入で都市部の商業地が伸び1.8%の上昇(22年は0.4%上昇)、住宅地も、都市部でマンション価格の高騰や、テレワークの浸透で交通利便性の高い郊外の住宅需要が伸びて1.5%の上昇(22年は0.5%上昇)となった。
東京都も全域でみた場合、各用途とも2年連続の上昇となった。対前年比の変動率は商業地で3.3%(22年0.6%)、住宅地で2.6%(22年1.0%)、全用途平均では2.8%(22年は0.9%)のそれぞれ上昇となった。
商業地の東京都全域の前年比変動率は3.3%(22年0.6%)の上昇。23区全域の平均では3.6%(22年0.7%)の上昇し、中野区、北区、荒川区が5.2%、杉並区が4.7%、文京区、目黒区、豊島区の4.6%の順で上昇率が高かった。
商業地で上昇率が最も高かった上位10地点を見ると、台東区西浅草2丁目の8.8%を筆頭に浅草周辺が3地点入った。都によると、新型コロナ禍で不振だった観光業の復活に期待が高まり、外国人観光客に人気の地域で売買が活発化したという。
一方、全国の地価の高額地点は下図のとおり上位10位はすべて東京都内となっており、なかでも中央区は、銀座4-5-6の「山野楽器銀座本店」(5.380万円)を筆頭に全国の商業地の地価高額地点トップ4を独占し、計6地点がランク入りした。
都内住宅地は、東京都全域の前年比変動率では2.6%(22年1.0%)上昇した。 東京23区は3.4%(22年1.5%)上昇し、変動率が最も高かった台東区(4.8%)、豊島区(4.7%)、中野区(4.6%)の順で続いた。また都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)が3.8%(22年2.2%)、その他の区が3.4%(22年1.4%)の上昇。都によると、「テレワークや行動制限で身近な住環境を見直す人が増え、生活、交通の利便性が高い地域が人気となった。都心は高騰したため、駅に近く大型スーパーなどがある周辺地域で割安感が出たのでは」とのこと。
上昇率が最も高かった地点は、足立区綾瀬1丁目(8.1%)、足立区千住緑町1丁目(7.9%)、荒川区西日暮里1丁目(7.8%)と続き、都心に近い駅周辺や、買い物などの利便性の高い地点の上昇が目立った。
全国の住宅地の地価高額地点も下図のとおり上位5位はすべて東京都内となっている。 最も高かったのは東京都港区の高級住宅地「赤坂1-14-11」で、6年連続の首位、1平方メートル当たり512万円となり、上昇率は2.4%となった。コロナ禍の影響が小さいとされる高所得者層の需要が下支えとなっている様子。
※公示地価とは
地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が標準値を選定し、毎年1月1日時点の調査を行い、価格を判定して、一般の土地の取引価格の指標等として公表するもの。2023年現在の東京都分の地点数は2,602地点であり、用途区分ごとの地点数は、住宅地1,697地点、商業地857地点、工業地40地点、林地8地点となっている。
(参考資料:2023年3月23日日本経済新聞、東京新聞)
全国の商業地の地価高額地点
(価格は1平方メートルあたり万円、変動率%)
順位 | 地点(商業地、すべて東京都) | 価格 | 前年度比 変動率 |
---|---|---|---|
1 | 中央区銀座4-5-6 (山野楽器銀座本店) |
5,380 | 1.5 |
2 | 中央区銀座5-4-3 (対鶴館ビル) |
4,600 | 1.1 |
3 | 中央区銀座2-6-7 (明治屋銀座ビル) |
3,950 | 1.0 |
4 | 中央区銀座7-9-19 (ZARA) |
3,860 | 1.0 |
5 | 千代田区丸の内2-4-1 (丸の内ビルディイング) |
3,670 | -1.3 |
6 | 新宿区新宿3-24-1 (新宿M-SQUARE) |
3,660 | 0.8 |
7 | 新宿区新宿3-30-11 (新宿高野第二ビル) |
3,500 | 1.4 |
8 | 千代田区大手町2-2-1 (新大手町ビルヂング) |
2,880 | 0.0 |
9 | 中央区銀座4-2-15
(塚本素山ビルディング) |
2,860 | 1.4 |
10 | 中央区銀座6-8-3 (銀座尾張町TOWER) |
2,850 | 1.1 |
10 | 渋谷区宇田川町23-3 (渋谷第一勧銀共同ビル) |
2,850 | 2.5 |
全国の住宅地の地価高額地点
(価格は1平方メートルあたり万円、変動率%)
順位 | 地点 (全て東京都) | 価格 | 前年比 変動率 |
---|---|---|---|
1 | 港区赤坂1-14-11 | 512 | 2.4 |
2 | 千代田区六番町6-1 | 428 | 3.1 |
3 | 港区白金台3-16-10 | 399 | 2.9 |
4 | 港区南麻布4-9-34 | 375 | 2.7 |
5 | 港区南麻布1-5-11 | 339 | 4.3 |
(2023年3月22日日本経済新聞より)
公示地価とは?
地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が標準値を選定し、毎年1月1日時点の調査を行い、価格を判定して、一般の土地の取引価格の指標等として公表するもの。2023年現在の東京都分の地点数は2,602地点であり、用途区分ごとの地点数は、住宅地1,697地点、商業地857地点、工業地40地点、林地8地点となっている。

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