日本の建物の耐震性、構造種類(免震・制震)

Poste date: 2022年7月20日

日本では過去に大きな地震が起こるたびに、建物が地震に耐えられるよう、建築基準法が厳しく見直されてきました。

全ての建築物は耐震性が厳しく追及され、法律が定める耐震基準を厳格に守らなければ、認可が受けられない仕組みになっています。大きな地震に見舞われた際の日本の建物の倒壊率は、諸外国に比べ、極端に低いと言われております。

ここでは、日本の建築法規の見直しの歴史に触れ、地震に強い建物を選ぶ上で重要となる建物の耐震性とその確認方法を詳しく解説しております。また、日本の建物の構造や構造別の特徴や耐震性能についても説明いたします。 
 

建物の耐震性を判断する上で重要な法規改正がされた年

1971年 RC造の構造基準強化
1981年 新耐震基準の施行
2000年 木造の耐震基準強化、品確法による耐震等級開始

 

耐震性能に関する日本の法規の変遷

1971年 1968年の十勝沖地震(最大震度5)の被害を踏まえ、RC造の帯筋の基準を強化しました。
1981年 1978年の宮城県沖地震(最大震度5)被害をきっかけに、建築基準法が改正され、新耐震設計法が施行されました。新基準では、地震による建物の倒壊を防ぐだけでなく、建物内の人間の安全を確保することに主眼が置かれています。
2000年 1995年の阪神大震災(最大震度7)の教訓を元に、建築基準法が改正、木造建築の安全性の向上を目的とし、木造建築物の耐震性能・基礎の仕様・形状等の明確化が計られました。 地盤調査が事実上義務化になりました。
「住宅の品質確保促進法(品確法)」の施行により、「住宅の性能表示制度」が創設され、住宅の性能を統一された基準で評価、比較することができるようになりました。また、施工会社は、住宅の基本構造部の不具合や雨漏りについて、10年間責任を負うことになりました。

 

耐震性能を示す指標「建築基準法:耐震基準」「品確法:耐震等級」

1.人命を守ることを目的とする「建築基準法:耐震基準」

建築基準法で定める耐震基準で、1981年6月1日の建築基準法の改正により、より厳しい基準が適用されたため、1981年6月以前を旧耐震基準、以降を新耐震基準と言います。
旧耐震基準 : 震度5強程度の地震で崩壊・倒壊しないレベルの耐震性
新耐震基準 : 震度5強程度の地震でほとんど損傷しないレベルの耐震性
        震度6強〜7程度の地震で崩壊・倒壊しないレベルの耐震性

建物の耐震基準の確認方法

新耐震基準は、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物が対象となります。建築確認とは、建物を建築する時に、工事の着手前に建築計画が法令で定められた建築基準に適合しているか確認を行う制度です。マンションの場合、建築確認後、竣工まで、工事期間は1年~1年半ほどかかりますので、築年が1981年のマンションは旧耐震基準の可能性が高いと考えられます。
建築確認の時期は、役所で調べられますので、1981年~1983年あたりのマンションについては、不動産会社に確認してもらうことをお勧めします。

2.人命を守ることに加え、建物を守ることを目的とする「品確法:耐震等級」

2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく「住宅性能表示制度」の等級の一つです。「住宅性能表示制度」は、国土交通大臣の認可を受けた第三者機関が住宅の性能を10項目の基準に基づいて客観的に評価し、住宅購入者が住宅の性能を統一された基準によって比較できるようにする制度です。
耐震等級は、住宅の耐震性能を「損傷防止」、「倒壊等防止」という2つの指標で、3段階の耐震等級に分け評価します。等級が高くなるほど、耐震性能が高いことを表しています。

「損傷防止」とは数十年に一回は起こりうる地震(震度5強)に対して、大規模な修復を必要としない程度に耐えられる耐震性能です。
「倒壊等防止」とは、数百年に一回は起こりうる地震(震度6強~7)に対して、損傷は受けても、人命が守られる程度の耐震性能です。

耐震等級1は、建築基準法で定められている耐震基準と同じレベルです。震度5強の地震でほとんど損傷せず、震度6強〜7の地震でも倒壊、崩壊等しない耐震性能です。震度6強以上の地震では、建て替えが必要なほど損傷します。

耐震等級2は、耐震等級1で想定される1.25倍の地震に耐えられる耐震性能です。
学校や病院など、災害時の避難場所として指定されるには、耐震等級2以上が条件となります。耐震等級2であれば、震度6強〜7の地震でも損傷は受けますが、補修によって住み続けられるレベルと言えます。
また、耐震等級2以上で、「長期優良住宅」の認定が可能です。長期優良住宅は、長期間にわたり安全かつ快適に暮らせるよう設計された住宅で、各種税金の優遇を受けることができます。

耐震等級3は、耐震等級1で想定される1.5倍の地震に耐えられる耐震性能です。災害時の復興や救護活動の拠点となる消防車や警察署に求められるレベルです。震度6強〜7の地震でも、軽微な補修で住続けられるレベルと言えます。

建物の耐震等級の確認方法

「品確法」の「住宅性能表示制度」は2000年に導入された任意の制度ですので、全ての住宅が評価書を得しているわけではありません。新築戸建の場合は、建築したハウスメーカーや工務店に、住宅性能評価書を取得しているか確認が可能です。注文住宅であれば、事前に住宅性能評価書を取得してもらえるようハウスメーカーや工務店に依頼しておきましょう。
新築マンションの場合は、デベロッパーに「住宅性能評価書」を取得しているか問合せて取得が可能です。中古戸建てや中古マンションは、不動産仲介業者を通じて施工会社や管理会社に確認してもらいましょう。

 

建物の構造別の耐震性について

耐震構造 住宅においては最も一般的な構造。1981年以降に建てられた建物は基本的に新耐震基準に従った建物になり、耐震構造であると言えます。
建物の主要構造部である柱、壁、床で地震の力を受け止める構造で、構造を強固に造り倒壊を防ぐ剛構造と主要構造部がしなることにより地震の力を分散する柔構造とに分類されます。
制震構造 建物のなかに地震エネルギーを吸収する制震壁などを入れて、建物の揺れを小さくなるようにした構造です。制震構造には電気などのエネルギーを利用したアクティブ型と物理的な力を利用したパッシブ型に大別されます。
耐震構造の70%~80%の地震の力を軽減します。

制震構造の賃貸物件一覧(東京都心・郊外)
免震構造 高層ビル・高層マンションによく用いられる構造。建物の基礎に振動を絶縁する積層ゴム等の免震装置(アイソレータ)を入れ、建物へ地震動が伝達しないようにした構造です。免震装置には積層ゴム、鉛、バネ、ダンパー、ボールベアリングなどが使用されておりこれらを組み合わせた工法も開発されております。
耐震構造の1/3~1/5(半分以下)に地震の力を軽減します。

免震構造の賃貸物件一覧(東京都心・郊外)

 


一般的な耐震構造に比べて、制震構造や免震構造を選択しているマンションやオフィスビルは、地震に対してより安心な建物と言えます。

 

建物主要部分の構造の種類

木 造 主に材料として木材を用いた建物。
柱や梁などを主体として構成されています。
日本の一戸建て住宅の多くが木造です。
鉄骨造(S) 主に骨組に鋼材を用いた建物。
鉄骨造は、大空間を有する建築物に適しています。
鉄筋コンクリート造(RC) 主に骨組に鉄筋を入れたコンクリートを用いた建物。鉄筋と鉄骨の両者の長所を合わせて作った建造物です。建物自身の重さを支えるような押し潰す圧縮力に強いコンクリートを、引き伸ばす力に強い棒状の鋼材である鉄筋で補強して作る構造のことをいいます。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC) 主に骨組に鉄骨と鉄筋を入れたコンクリートを用いた建物。
鉄骨造と鉄筋コンクリート造の長所を併せ持った構造で「SRC造」と略されます。鉄骨で柱や梁を組み、その周りに鉄筋を配してコンクリートを打ち込む構造になっています。
耐震性も優れ丈夫なので、高層建築物に用いられる場合が多いです。



地域による危険度について

(東京都の場合) <参考> 東京都都市整備局

地盤や土地の形状、建物の密集度等によっても災害危険度が違ってきます。
東京都の場合、危険度の高い地域は、扇状地、自然堤防帯、三角州等の沖積低地や谷底低地に分類される地盤上にあり、古い木造や軽量鉄骨造の建物が密集している、荒川・隅田川沿いのいわいる下町地域一帯に分布しています。具体的には、足立区南部から荒川区、台東区東部、葛飾区西部、墨田区、江東区北部に広がる地域で危険度が高くなっています。

官公庁や外資系企業が多い千代田区、港区、渋谷区等は都内においては比較的安全な地域とされています。

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