不動産登記法改正 ― 土地の相続登記・住所変更登記が義務化へ

Post date: 2022年11月24日

不動産の相続登記・住所変更登記が義務化されることになりました。 
正当な理由がなく義務を怠ると過料が課されることになります。

所有者が分かっていても転居してしまった為連絡先が分からなかったり、土地の名義人が亡くなった後にも登記が行われなかった為相続人が多数になり、全ての人に連絡する事が困難になってしまった土地、いわゆる「所有者不明土地」が全国的に増えており、その面積は九州の土地面積を超え、北海道の土地面積にせまる勢いで増え続けているそうです。

その問題を解決する為、民法が改正されることになりました。

所有者不明土地の問題点

土地売買の際、登記簿で売主の名義が確認できなければ、購入希望者が安心して購入することが出来ない為、取引が成立しづらくなります。

金融機関から融資を受ける際、登記簿で名義を確認できなければ抵当物件として利用する事が出来ない恐れがあります。

国や自治体が公共用地や災害対策の用地として土地を取得したくても、所有者を探す手間やコストが膨大にかかってしまいます。

不動産登記法の主な改正点

1.相続登記の申請義務化(2024年4月1日より施行)

不動産の登記名義人が亡くなったことにより相続で土地を取得した人は、相続の開始及び所有権を取得した事を知った日から3年以内に不動産の名義変更登記をしなければなりません。これに反すると、10万円以下の過料(罰金)を支払うことになります。 

*法改正以前から相続登記をしていない土地については、原則、法改正の施工日から3年以内に相続登記を行う必要があります。ただし、法改正後に相続している事を知った場合には、知った日から3年以内に登記する義務を負うことになります。

*相続人への遺贈により、土地を取得した場合も適用されます。

2.相続人申告登記の創設(2024年4月1日より施行)

遺産分割協議がまとまらない場合、登記官に「相続が開始したこと」・「自らが相続人であること」を申し出れば、相続登記等を申請する義務を履行したことになります。正当な理由がなくて申請していない場合は、5万円以下の過料を支払うことになります。

また、この処置は相続人に権利が移行したことを示すものではないので、遺産分割協議が終了した場合には、遺産分割の日から3年以内に名義変更登記を行う必要があります。

3.住所等の変更申請の義務化(2026年4月までに施行)

所有権の登記名義人には、住所等が変更になった場合には、変更があった日から2年以内に申請しなければなりません。
正当な理由のない申告漏れには過料の罰則があります。
義務化に合わせて、他の公的機関から取得した情報に基づき、登記官が職権で変更登記をする新たな方策も導入されます。

■新たな方策の仕組み■

個人の場合 (登記名義人本人からの申し出があった時に限り行われる)

登記名義人が、その氏名・住所のほか生年月日等の「検索用情報」を提供


登記官が、「検索用情報」等を用いて住民基本台帳ネットワークを照会して、所有権の登記名義人の氏名・住所等の移動情報を取得する。


登記官が、取得した情報に基づき、登記名義人に住所等の変更の登記をするか確認を行い、了承を得られれば変更登記を行います。(非課税)

法人の場合 (法人の場合は、「申出」の有無に関係なく職権変更登記の対象)

法人が所有権の登記名義人となっている不動産について、会社法人等番号を登記事項に追加する。(本改正に伴い会社法人等番号が登記事項になる予定)


法務書・法務局の商業・法人登記のシステムと不動産登記のシステムが連携される


法務省内の取得した情報に基づき、登記官が変更の登記をする。(非課税)

 

4.不要な土地を国に譲渡出来る法律の創設(2023年4月1日より施行)

土地を相続した相続人や受遺者は、その土地が不要な場合一定の条件を満たせば国に引き取ってもらえる事になりました。一定の条件とは、管理や処分に多額の費用がかからないこと、工作物が無い事、隣地所有者ともめていない事等があります。また引き取りを求めるには有料の審査が必要になり、10年分の土地管理費等も必要になります。

(参考)管理費用(10年分)
    原野:20万円 市街地の宅地(200㎡):約80万円

    要件(通常の管理又は処分するにあたり多くの費用や労力が必要な以下のような土地に該当しないこと。

    ア 建物や通常の管理又は処分を阻害する工作物がある土地
    イ 土壌汚染や埋蔵物がある土地
    ウ 崖がある土地
    エ 権利関係に争いがある土地
    オ 担保権等が設定されている土地
    カ 通路など他人によって使用される土地    他

5.越境した竹木の枝の切り取りのルールの見直し(2023年4月1日より施行)

現行の民法では、隣地から越境してきた竹木について次のように定められています。

    根:越境された側で切る事が出来る
    枝:竹木の所有者に枝を切除させる必要がある

このルールに則ると、枝が伸びて越境するたびに提訴し、枝を切らせる判決を得なければならず、非常に不便です。そこで今改正により以下のいずれかに該当する場合には、枝を越境された側が切っても良い事になりました。

竹木の所有者に越境した竹木を切除するように依頼したにも関わらず、相当の期間をたっても所有者が切除しない場合。


所有者が分からない、または所在がわからない場合


急いでいる場合

上記は今回の改正の一部となっており、この他にも複数の改正点があります。また施行までに時間がある法律に関しましては、実際の運用にあたり細かな修正が加えられる事がありますことをご承知おきください。

 

 

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