夫婦で借りる住宅ローン - ペアローン -

Post date: 2023年11月7日

日本では、共働き夫婦の世帯が増えている昨今、住宅ローンを夫婦で借りるケースが増えています。夫婦のどちらか一方が単独で申込むよりも、夫婦二人の収入を合算して申し込むことで、借入額を増やすことができ、組み方によっては夫婦ともに住宅ローン控除を受けることも可能になります。ここでは、夫婦で住宅ローンを借りる方法と確認すべきポイント、選び方の注意点についてご説明いたします。

夫婦で住宅ローンを借りる方法

夫婦で住宅ローンを借りる方法は3パターンあります。

1. ペアローン
2. 収入合算(連帯債務型)
3. 収入合算(連帯保証型)

それぞれの方法について特徴を見ていきましょう。返済義務、団体信用生命保険の加入、住宅ローン控除、所有権の持分など気になるポイントも確認しましょう。

1. ペアローン

夫婦それぞれが住宅ローンを契約する方法です。1つの物件を購入するのに、2本のローン契約を組みます。夫婦それぞれが債務者となりますので、自分の借入額に対して返済義務を負い、お互いが相手のローン契約の連帯保証人になります。

ペアローンのポイント

■ 契約の本数と諸費用

契約は2本のため、それぞれに諸費用(印紙代、手数料、登記費用)がかかります。

■ 団体信用生命保険

それぞれが団体信用生命保険へ加入します。仮に、夫が死亡や高度障害になった場合、夫の住宅ローンは団体信用生命保険によって返済されますが、妻の住宅ローンは残ります。

■ 住宅ローン控除

夫婦ともに住宅ローン控除が適用されます。

■ 住宅の所有権・持分

住宅の所有権は、夫と妻の共有名義になります。それぞれの出資額(頭金+住宅ローンの返済額)の割合に応じて持分割合が決まります。

2. 収入合算(連帯債務型)

夫婦の収入を合算して住宅ローンの審査を受けます。住宅ローンの契約は1本です。夫婦のどちらかが「主債務者」、もう一方は「連帯債務者」となり、夫婦ともに平等に返済義務を負います。万が一、夫婦のどちらかがローンを返済できなくなった場合には、もう一方の債務者がローンの返済義務を負います。

連帯債務型のポイント

■ 契約の本数と諸費用

契約は1本なので、諸費用は債務者の分のみです。

■ 団体信用生命保険

団体信用生命保険は、主債務者のみ加入します。多くの民間の住宅ローンでは連帯債務者は団体信用保険に加入できないため注意が必要です。一部金融機関によっては連帯債務者も保険加入できる場合があります。フラット35は連帯債務者も保険加入できます。

■ 住宅ローン控除

夫婦ともに住宅ローン控除が適用されます。

■ 住宅の所有権・持分

住宅の所有権は、夫と妻の共有名義になります。原則、それぞれの出資額の割合に応じた持分割合になりますが、お互いの収入の割合などを目安に夫婦間で自由に決めることができます。出資額を無視して持分割合を決めると、贈与税が課税されるおそれがあります。

3. 収入合算(連帯保証型)

夫婦の収入を合算して住宅ローンの審査を受けます。住宅ローンの契約は1本です。夫婦のどちらかが「債務者」、もう一方は「連帯保証人」となります。債務者がローンの返済ができなくなった場合、連帯保証人は返済義務を負います。

連帯保証型のポイント

■ 契約の本数と諸費用

契約は1本なので、諸費用は債務者の分のみです。

■ 団体信用生命保険

団体信用生命保険は、債務者のみ加入します。連帯保証人は加入できません。

■ 住宅ローン控除

連帯保証人は住宅ローン控除が適用されません。

■ 住宅の所有権・名義

住宅の所有権は、債務者のみの名義になり、連帯保証人の持分はありません。

夫婦で住宅ローンを借りる方法 まとめ

  1. ペアローン 2. 収入合算(連帯債務型) 3. 収入合算(連帯保証型)
ローン契約本数 2本 1本 1本
団体信用生命保険 夫婦それぞれが加入 債務者のみ
※連帯債務者も加入可能な場合あり
債務者のみ
住宅ローン控除 夫婦2人分 夫婦2人分 債務者のみ
所有権・持分 共有名義 共有名義 債務者のみ

夫婦で借りる住宅ローンの選び方

ペアローンに向いている人

夫婦ともに安定した収入が得られる人、夫婦ともに健康で団体信用生命保険に加入できる人はペアローンがおすすめです。夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられ節税メリットもあります。妻の出産や育児により、仕事を辞めて収入が無くなる可能性がある場合は、妻の住宅ローンの支払いが続く上に、住宅ローン控除も受けられなくなるため、負担が重くなりますので、おすすめしません。

収入合算に向いている人

数年後にどちらかが仕事を辞めて収入が無くなる可能性がある場合は、ペアローンではなく収入合算をおすすめします。契約が1本なので、諸費用の負担は一人分で済みます。

・連帯債務型

連帯債務型は、夫婦それぞれで住宅ローン控除を受けられる点がメリットです。しかし、連帯債務型は取り扱いっている金融機関が少ないので、希望する金融機関で取り扱いがあるか確認が必要です。

・連帯保証型

連帯債務型が選択肢としてある場合、連帯保証型は連帯債務型に比べ、これといったメッリトはありません。ペアローンか連帯保証型であれば、夫婦間の収入の差がある人や、数年後にどちらかが仕事を辞める可能性が高い人は、連帯保証型がおすすめです。

 

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