大雨・台風等の水害(水災)被害に備える保険

Post date: 2024年4月24日

近年、日本各地で台風や局地的な大雨により大規模な水害が発生しています。数十年に一度のレベルに相当する大雨に毎年見舞われる中、河川の氾濫による洪水、土砂崩れ、道路・住宅の浸水など水害のリスクは避けられない状況になってきています。このような異常気象により住宅で水害被害が起こった時、住まいの保険でどこまで補償されるのでしょうか。この記事では、水害による建物や家財の損害を補償できる保険とリスクに応じた保険の選び方についてご説明いたします。

住まいの保険(火災保険)とは?

建物や家財の損害を補償する損害保険を一般的に火災保険と言います。火災保険の補償範囲は、火災による損害に限られたものではなく、火災以外にも落雷、風災、水災などの自然災害、盗難・破損・爆発などによる損害も含まれ補償範囲は多岐に渡ります。現在の火災保険の多くは、補償範囲を細かくカスタマイズできるので、ご自身に必要な補償を選び、適切な補償範囲を設定することができます。

火災保険の補償の範囲

火災リスク

火災・落雷・破裂・爆発

・失火やもらい火による火災で住宅が燃えてしまった

・落雷により家電製品がショートした

・ガス漏れで引火して爆発が発生した

風災リスク

台風・竜巻・雹災・雪災等

 

・強風で窓ガラスが割れた

・割れた窓ガラスから雨が吹き込み家電製品が使えなくなった

水災リスク

台風や暴風雨等が原因の洪水、高潮、土砂崩れ等

・大雨で床上浸水してしまった

・豪雨による土砂崩れで、家の中に土砂が流れ込み被害にあった

盗難・水漏れ等リスク

盗難・水濡れ・

建物の外部からの物体の衝突等

・泥棒に入られた

・給排水設備の故障により部屋が水浸しになった

・マンション上階で漏水し、建物や家財が損害を受けた

破損等リスク

偶然な破損事故等

・子どもが室内で遊んでいるときに、うっかりものを壊してしまった

・掃除中、掃除機をドアにぶつけて破損した

水害による損害を補償する水災補償とは?

上の表の水災リスクによる損害を補償対象にしたい場合には、火災保険に水災補償を付帯させる必要があります。付帯する事により、台風、暴風雨、豪雨による洪水、融雪洪水、高潮、土砂崩れ、落石などによって、建物や家財に所定の損害を受けた場合に補償を受けることができます。

これまでは、水災保障の補償率は、水災が多い地域か少ない地域かに関わらず全国一律でしたが、補償率の算出に水災リスクの違いを反映させ、1等地から5等地に細分化される事になりました。

ハザードマップ等、保険者が水災リスクを確認できる手段が出てきた事により、リスクが少ないと判断した保険者が、水災補償を付帯しないケースが増えており、その事が水災補償の将来的な値上がりに繋がり、結果水災補償を付帯出来ない人が出てしまう恐れがあるからです。

水災補償は、国土交通省発行のハザードマップ
国土交通省による「水害統計」や国立研究開発法人防災科学技術研究所による「地形データ」
等に基づき、市区村町別に細分化されます。
保険料が最も高い地域は、最も安い地域と比較して約1.2倍となるそうです。

水災科率の等地情報は、「水災等地検索」から検索できます。

保険の対象の選択

火災保険では、補償される対象を「保険の対象」と言います。保険の対象を①建物のみ、②家財のみ、③建物+家財の 3つの中から選ぶことができます。保険の対象の選択によって、水災にあった時に補償される損害が異なります。

① 建物のみ

建物本体や建物に付帯していて動かせないもの

門・塀・垣、物置・車庫、畳・床・床暖房、システムキッチン、電気・通信・ガス、冷暖房

② 家財のみ

建物の中にあり動かせるもの

家具・家電製品・衣類・自転車・カーテンなど

③ 建物+家財

※賃貸物件の場合は、建物に対する火災保険は貸主が契約していることが多いので、入居者は「家財のみ」を選択するのが一般的です。

水災補償の支払要件

水災補償には一般的に支払要件が設けられており、損害保険金が支払われるのは、被害状況が支払要件に当てはまった場合になります。

支払要件

「床上浸水」または「地盤面から45cmを超えて浸水」した場合

建物(家財)の「再調達価格」に対して30%以上の損害を受けた場合

床下浸水で汚泥が床下に溜まってしまったり、土砂災害で建物が損害を受けていても、支払要件を満たさないと補償されない点は注意が必要です。

水災補償は必要か?ハザードマップでリスクを確認する

国土交通省や各自治体が公開しているハザードマップ(被害予測図)は、その地域で起こると想定される水害や土砂災害の被害の程度を地図上で示したものです。その地域の浸水被害がどの程度なのか確認できるので、水害補償をつけた方が良いか判断するのに有効です。

不動産取引では2020年8月28日より契約前に水害ハザードマップにおける対象物件の所在地を説明することが義務化されました。近年多発する大規模な水害を背景に、不動産を購入賃貸する際に、契約する建物の水害リスクを確認する重要性が高まっています。

間違えやすい水災補償に含まれない被害

水による被害でも次のような被害は水災補償に含まれません。
水災とは別の特約を付けることで補償することができます。

水濡れ、漏水による被害

トイレの詰まりや排水管の破損等による漏水、マンションの上階からの水漏れによる被害は「水濡れ」の補償対象になります。

地震による津波や土砂崩れによる被害

地震が原因で起こる津波や土砂崩れによる被害は、水災には当てはまらず、地震保険の対象になります。津波の危険性がある地域では、火災保険とは別に地震保険の加入をお勧めします。

風、雪、雹による被害

台風や暴風などでガラスが割れたという被害は「風災」の対象になります。また、雹や大雪により建物が破損した場合は、「雹災・雪災」の対象となります。

火災保険は、「火災保険の補償の範囲」で示したような様々なリスクに対して、補償をカスタマイズして設定することができます。一般的に補償の範囲を広げれば保険料の負担は大きくなります。被災のリスクを確認し、保険による補償内容と保険料をバランスよく検討することをお勧めします。

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