役員の社宅と税金: 240平米を超える豪華社宅の場合は?

Poste date: 2023年10月27日

企業が社宅を借り上げる社宅制度は、従業員社宅と役員社宅に分かれます。ここでは役員社宅の規模と税金について解説します。

役員社宅とは?

役員社宅とは、会社が賃貸物件を借り上げ役員に貸し出し、役員は一定の社宅使用料を会社に支払う制度です。役員個人が借りた場合は役員社宅とはなりません。

役員社宅は節税効果が高いのですが、小規模な住宅と240平米を超える住宅等、住宅規模によって税金の算出の元となる賃料相当額の計算式や社宅としての扱いが異なります。

役員社宅の賃料相当額

役員社宅の賃料相当額は、貸与する社宅の床面積により小規模な住宅とそれ以外の住宅に分けて計算します。

小規模な住宅の場合


小規模な住宅とは

    1. 法定耐用年数が30年以下の建物の場合:床面積が132平方メートル以下である住宅
    2. 法定耐用年数が30年を超える建物の場合:床面積が99平方メートル以下
    3. 区分所有の建物は共用部分の床面積を案分し、専用部分の床面積に加えたところで判定

賃料相当額

次の1から3までの合計額が賃貸料相当額になります。

    1. その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2
    2. 12円×(その建物の総床面積 (平方メートル) / (3平方メートル)
    3. (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22

 

小規模でない住宅の場合


小規模住宅ではない場合は、その社宅が自社所有物件か、他から借り受けた物件かによって計算方法が異なります。

小規模でない住宅とは

    1. 法定耐用年数が30年以下の建物の場合:床面積が132平方メートル以上である住宅
    2. 法定耐用年数が30年を超える建物の場合:床面積が99平方メートル以上
    3. 区分所有の建物は共用部分の床面積を案分し、専用部分の床面積に加えたところで判定

賃料相当額

(1)自社所有の社宅の場合

次の1.と2.の合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。

    1. (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%。ただし、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には12%ではなく、10%を乗じます。
    2. (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額) × 6

(2)他から借り受けた住宅等を貸与する場合

会社が家主に支払う家賃の50%の金額と、上記(1)で算出した賃貸料相当額とのいずれか多い金額が賃貸料相当額になります。

 

豪華社宅


また豪華社宅と言われる、社会通念上、一般的な社宅としては認められないような社宅の場合は、通常支払うべき使用料に相当する額が賃貸料相当額になります。

豪華社宅とは

    1. 床面積240平方メートル超
    2. プールや設備等が役員個人のし好を著しく反映したものがある場合

賃料相当額

役員が賃料の全額を負担

豪華社宅であるかどうかは、床面積が240平方メートルを超えるもののうち、取得価額、支払賃貸料の額、内外装の状況等各種の要素を総合勘案して税務署が判断します。床面積が240平方メートル以下のものであっても、一般に貸与されている住宅等に設置されていないプールや内装等、役員個人のし好を著しく反映した設備等を有するものについては、いわゆる豪華社宅に該当することとなります。 

まとめ

福利厚生の一環である、会社による役員の家賃負担軽減方法についてご説明致しましがが、上記以外にも細かい規定があります。実際に制度を運用される際には、専門家にご相談されることをお勧め致します。

参考資料:国税庁HP No.2600 役員に社宅などを貸したとき

従業員社宅の税金についてはこちら

  • 2025年4月から省エネ基準の適合が義務化 不動産の資産価値への影響は?

    2025年4月から日本で新築住宅の省エネ基準適合が義務化されます。2030年にはZEH基準を目指し、段階的に基準が引き上げられる予定です。省エネ住宅は補助金や税制優遇の対象となり、購入者は健康で快適な住まいを選択可能になります。背景や市場への影響も注目されています。
  • 土地を購入して一戸建てを建てる - 土地の購入費・家の建築費と住宅ローン

    土地を購入して、家を建てる場合、まずは土地の代金の支払いが必要になります。そして、建物の建築費は、契約から完成、引渡しまでの間に複数回に分けて支払うのが一般的です。通常、住宅ローンは完成済の建物を担保として融資するため、土地の代金や建物完成前の段階で発生する建築費の支払いには利用できません。ここでは、これらの費用の支払いにも対応できる融資とその特徴についてご案内いたします。
  • 新築戸建の選択肢

    新築の戸建に住みたい場合、ゼロから自分で建てる注文住宅か、プランと価格が決まっている建売住宅かという選択肢があります。注文住宅と建売住宅では、設計の自由度以外にも、資金計画の立て方や入居までのスケジュールなど大きな違いがありますので、それぞれの特徴を確認しましょう。
  • 2024年区分所有法改正予定 - 何が変わるのか?

    日本で社会問題となっている老朽化マンションの建替えがなかなか進まないのは、区分所有法の厳しさが一因とされています。そこで老朽化問題の解決を促すべく、区分所有法改定が2024年中に行なわれる事になっています。
  • 不動産の所有権登記名義人が海外に居住している場合、日本国内の連絡先の登記が必要になります

    外国人や海外居住者など、不動産を所有する人が日本国内に住所が無い場合、日本国内における連絡先となる者の氏名又は名称と住所の申告及び登記が必要となる事になりました。
  • 東京都心のプライムロケーション 3A+Rエリア - 麻布・赤坂・青山・六本木の魅力

    3A+Rエリアと称される麻布・青山・赤坂・六本木エリアは、超高級マンションが建ち並ぶ別格のブランドエリアで、近年外国人投資家からも注目されています。ここでは、3A+R地区それぞれの特徴や人気の理由についてご紹介いたします。

眼下に国立自然教育園、東京タワーをはじめレインボーブリッジや六本木ヒルズが望める高層マンション。ペットと共生できる設備が充実。白金台駅8分。

270,000円/月

三田4丁目の閑静な環境。目の前に亀塚公園があります。総戸数15戸、高級感のある賃貸マンション。床暖房、追焚付オートバス、ピクチャーレール等、分譲マンション並みの設備が充実。

370,000 ~ 375,000円/月

アークヒルズの向かい側、4駅5路線が使える立地に建つ20階建のタワーマンション。ゆとりある広さの1K、1LDK。宅配ボックス付で24時間ゴミ出し可能。モダンで高級感のある造り。

208,000 ~ 480,000円/月

麻布十番駅徒歩10分の好立地に建つ低層マンション。2025年3月にフルリノベーション実施済み。麻布十番商店街や六本木ヒルズ等、買い物や食事に便利な施設が近くにあり暮らしやすい環境。マンション周辺は、静かな住宅街。浴室乾燥機、無料のインターネット接続他、設備が充実。最上階は屋上テラス付き。

570,000 ~ 650,000円/月