地震に強い建物の選び方 - 耐震性と不動産の資産価値

Poste date: 2022年9月13日

地震大国である日本で不動産を購入する際に、地震による建物倒壊、損傷のリスクを懸念される方は多いのではないでしょうか。特に近年、2011年の東日本大震災や、2016年の熊本地震を始めとする大きな地震を経験し、住まい選びにおいて建物の耐震性能を重要視する方は増えています。ここでは、地震に強い建物を選ぶために知っておくべきポイントや、地震が起きても資産価値を損なわず住み続けられる建物の特徴、地震への備えについてご説明いたします。

1.新耐震基準の建物を選ぶ

日本では、過去の地震被害の教訓から、建物が地震に耐えられるよう建築基準法を見直してきました。特に、1981年6月に耐震基準が大幅に見直されたため、1981年6月以降の建築確認で建築された建物を「新耐震基準」と言い、それ以前の耐震基準で建築された建物を「旧耐震基準」と言い区別しています。旧耐震基準は、「震度5強程度の地震で崩壊・倒壊しないレベルの耐震性」でしたが、新耐震基準になり、「震度5強程度の地震でほとんど損傷しない、震度6強〜7程度の地震で崩壊・倒壊しないレベルの耐震性」を保持する基準へと強化されました。昨今の震度7を記録する大地震でも、新耐震基準の建物の多くは、崩壊せず地震による被害を抑えることができました。今後、日本全国で震度7レベルの大地震が予測されている中、地震のリスクを考えるなら新耐震基準の建物を選ぶことをお勧めいたします。

2022年現在、1981年より前に建築された旧耐震基準の建物は築40年を超えていますが、このような築年数の古い物件も市場では多く販売されています。築古物件は、価格が周辺相場より安い、新築物件が建てられないような駅近や好立地にある、不動産会社によりフルリフォームされてすぐに住める状態で販売されている、などの理由からメリットを感じる方も少なくありません。旧耐震物件にご興味をお持ちの方は、以下の点にも留意してご検討ください。

旧耐震基準の建物の注意点

1.  住宅ローンが利用できない場合がある

旧耐震基準の建物は、地震による倒壊ののリスクがあることや、差し押さえた際に売却によるローン残高の回収が難しいことなどから、金融機関による担保評価が低くなり、融資額に制限がかかってしまうことがあります。金融機関によっては、旧耐震の建物に対して融資を行っていない場合もありますのでご注意ください。

2.住宅ローン減税が受けられない

また、住宅ローンが組めても、「住宅ローン減税」という税金の控除が受けられない場合があります。住宅ローン減税とは、住宅ローンを借りて住宅の新築・取得又は増改築等をした場合、年末のローン残高の0.7%を所得税から最大13年間控除する制度です。住宅ローン減税の主な要件として、「現行の耐震基準に適合していること」が必要になります。旧耐震の建物は、耐震性能を証明する「耐震基準適合証明書」が取得できれば、住宅ローン減税の対象となります。

3.各種税金の軽減措置が受けられない

その他、不動産を購入するとかかる不動産取得税、登録免許税の軽減要件も、新耐震基準の建物であること、旧耐震の建物の場合は、耐震診断によって新耐震基準に適合していることの証明がされたもの、とされていますので、こちらの軽減措置にも影響します。
また、父母や祖父母から、贈与により住宅取得のための資金援助を受けた場合に、贈与税が一定額非課税になる制度がありますが、こちらも新耐震基準の適合が必要になります。

4.将来、売却しづらい

1で述べたように住宅ローンが受けられないことから、住宅ローンを利用して購入したい方は対象外になりますので、購入者は現金で購入できる方に限られてしまいます。一般の消費者に売却できない場合は、旧耐震でも買取する不動産会社に依頼することもできますが、相場の価格より安くなるデメリットがあります。

5.老朽化のリスクがある

築40年を超える鉄筋コンクリート造のマンションは、コンクリートのひび割れや、内部の鉄筋の腐食による老朽化の懸念があります。また、給排水管の劣化による漏水や古い共用設備による事故や異常のリスクもあります。

6.建て替え問題のリスクがある

日本では、マンションは所有者の合意によって建て替えが可能ですので、築年数の古いマンションは、近い将来、所有者間で建て替えの協議が始まる可能性があります。日本のマンションの耐用年数や建て替えすべき年数は決まっていませんが、過去に建て替えられたマンションの築年数は、全国平均で33.4年、東京、大阪では平均約40年となっています。マンションの建て替えには、建物の解体費や、建設費等莫大な費用がかかる上に、所有者間で合意形成するのに数年の時間を要する場合もあります。

参考 >> 老朽化マンションの建て替え - 建て替え事例、諸問題

2.大地震後も住み続けられる建物を選ぶ

過去の地震における建物の被害状況から、新耐震基準の有効性は確認されていますが、耐震構造の建物は、地震の力が建物に直接伝わるため、地震が繰り返し起こると建物はダメージを受け損傷してしまいます。

木造建築物の選ぶポイント

2016年の熊本地震は、数百年に一度程度発生するとされる震度7の大地震が同じ場所で2回起きた想定外の地震でした。熊本地震で建物の被害が著しかった益城町の木造建築物の被害状況を見ると、新耐震基準の建物であっても、2000年6月の建築基準改正以前の建物の倒壊率が8.7%であったのに対し、2000年6月の建築基準改正以降の建物の倒壊率はわずか2.2%に抑えられました。さらに、住宅性能表示制度による耐震等級3を取得している住宅においては、大きな損傷がみられず、その87.5%で被害がありませんでした。
2016年熊本地震の被害参照) 

このことから、地震の多い日本で、繰り返し起こる地震に耐えられる住宅を選ぶ上で、2000年6月の建築基準法改正以降に建築された建物のほうがより倒壊のリスクが低く、さらに、住宅性能表示制度の耐震等級3は、耐震性能の高さを客観的に評価する指標として有効と言えるでしょう。

マンション(鉄筋コンクリート造)の選ぶポイント

マンションの構造として一般的な鉄筋コンクリート造の建物は、新耐震基準であれば、大地震でも倒壊はしないとされていますが、建物の一部が破損し、大規模な修繕や建て替えが必要になる可能性もあります。より耐震性能の高いマンションを選ぶには、耐震等級2以上を取得しているマンションや、免震構造、制震構造他、地震対策がとられているマンションを検討することをお勧めいたします。

免震構造
建物の基礎に振動を絶縁する免震装置(アイソレータ)を入れ、建物へ地震動が伝達しないようにすることで、建物への影響を軽減する構造です。地震が発生すると、免震装置の働きにより建物が水平に揺れることで、建物が損傷しにくく、地震後の修繕や補修も少なくて済みます。地震の揺れが軽減されるため、家具の転倒も抑えられる特徴があります。
耐震構造や制震構造に比べ建設費用が高く、免震装置の定期的な点検やメンテナンスが必要なため、維持管理コストがかかります。また、強風により揺れが生じたり、地震の揺れ方によっては、長時間にわたり建物が揺れ続けるといった注意点があります。

制震構造
建物に地震エネルギーを吸収するオイルダンパーなどの制震装置を入れて、建物の揺れが小さくなるようにした構造です。地震の揺れが建物に伝わるので、免震構造より揺れは大きくなりますが、揺れを軽減することで、耐震構造に比べ建物のひび割れ等の損傷が生じにくくなります。建物の主要な部分が被害を受けないため、繰り返しの地震に強いのが特徴です。制震装置は、定期的な点検は必要ですが、メンテナンスにはあまり手間がかかりません。

参照 >> 建物の構造別の耐震性について

3.地震による被害に備える

地震に強い建物であっても、大地震が起きれば建物が損傷する可能性は少なからずあります。
地震によって被害が発生した場合には、建物の建て替えや、大規模修繕、補修が必要になります。また、当面の住まいを確保するため、一時的に賃貸物件を借りなければならないなど、急な出費に対応しなくてはなりません。このような地震の被害による経済的な負担への備えとなるのが地震保険です。地震保険に加入していれば、被害状況に応じた補償が受けられます。地震等で住宅・家財を失ってしまった場合に生活の再建が難しい方、住宅ローンが残っている方、地震の発生リスクが高いエリアにお住いの方は、地震への備えとして地震保険に加入しておくと安心でしょう。詳しくは、震災に備える地震保険とはをご参照ください。

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