2023年東京都内路線価3年ぶり下落地点ゼロ

Poste date: 2023年7月14日

国税庁が7月3日に発表した2023年分の路線価(1月1日時点)は、全国平均で前年比1.5%と2年連続で上昇した。 繁華街や観光地で人出や経済活動が戻り、前年(0.5%)より1%上昇率が拡大し、新型コロナウイルス前の水準(2020年1.6%)まで回復した。

東京都内の路線価は、平均で前年比3.2%の上昇となり、前年の+1.1%から大幅な上昇率拡大となった。
新型コロナウイルス禍の影響が薄れ経済の回復傾向が鮮明となる一方、弱いオフィス需要が今後の懸念材料となっている。

全国の都道府県所在地の最高路線価で見ると、岡山市がトップの9.3%の上昇。周辺に世界遺産を抱える奈良・大宮通りが5.8%の大幅上昇(2022年-1.4%)、神戸市(2.0%)や大阪市(1.3%)なども上昇に転じ、那覇・国際通りも2.1%と3年ぶりの上昇となった。

東京では都内の税務署管内ごとの最高路線価の上昇率では、北千住駅西口駅前広場通りが前年比8.8%で最も高く、中野駅北口駅前広場前(同8.5%)、日暮里駅東口広場通り(同8.3%)が続いた。これら上位には再開発の進む地域が多くみられ、都心に比べ地価が割安なエリアでは、商業利用や小規模オフィスなどの開発が今後も進む予想。ホテル開発需要でコロナ禍前に30%を超す伸びを見せていた浅草の雷門通りは7.0%で4位となった。日本政府観光局によると水際対策の緩和で5月の訪日外国人の推計は約190万人と2019年同月比で7割の水準まで回復しており、観光地での消費活性化が期待される。

都内の全48地点では、47地点で上昇し1地点は横ばいで、下落した地点はなかった。 全国で最も高い路線価は東京・中央区銀座中央通りの「鳩居堂」前で1平方メートルあたり4272万円。3年ぶりにプラスに転じて前年比1.1%の上昇となり、38年連続日本一となった。

コロナ禍からの消費回復が路線価を押し上げた一方、オフィス需要は弱含んでいる。オフィスビル仲介業者によると、東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の空室率は6%台で推移。コロナ前は1%台を推移していたが、供給過剰の目安となる5%を上回る状況が続いている。新規供給が増えており、23年度は麻布台や渋谷などで大規模オフィスビルが竣工予定。都心にオフィスを構える大企業はテレワークが定着しており、外資系企業の需要も多くない状況から、一時的な地価のマイナス要因になる見込み。

今後の回復基調を左右する要素の一つが海外マネーの動きである。ある不動産サービス大手によると、2023年1-3月の世界の都市別不動産投資額では、日本の首都圏は前年同期比26%増の48億ドル(約6900億円)だった。22年通年でみても、日本の不動産に対する投資額のうち、海外投資家が占める割合は26%でコロナ前の2019年より5%増えた。円安が続き、香港やシンガポールなどアジアの主要都市と比べて日本の不動産は割安に映る。同社は、「金融緩和で低金利環境が続く間は、海外からの投資意欲は下がらないだろう」とみている。

2023年分の最高路線価

(1平方メートル当たり単位万円、カッコ内は対前年変動率%、順位は税務署別)
順位・税務署 路線名 路線価
1. 京 橋 中央区銀座5丁目
銀座中央通り
4272 (1.1)
2. 新 宿 新宿区新宿3丁目
新宿通り
2974 (0.7)
3. 渋 谷 渋谷区宇田川町
渋谷駅側通り
2944 (2.5)
4. 四 谷 新宿区新宿3丁目 
新宿通り
2696 (1.5)
5. 麹 町 千代田区丸の内2丁目 
大名小路
2518 (0.0)
6. 日本橋 中央区八重洲1丁目
外堀通り
1816 (1.8)
7. 麻 布 港区北青山3丁目
青山通り
1752 (2.8)
8. 芝 港区新橋2丁目
新橋西口駅前広場通り
1408 (1.7)
9. 豊 島 豊島区東池袋1丁目
グリーン大通り
1167 (3.5)
10. 東京上野 台東区上野4丁目 
中央通り
840 (3.6)

(2023年7月4日 日本経済新聞、東京新聞)

*路線価とは

国税庁が発表する主要な道路に面した土地の1平方メートルあたりの標準価格(1月1日時点)。相続税や贈与税の算定基準となる。国土交通省が発表し、一般的な土地取引の指標となる公示地価より調査地点が多く、土地の相場を詳細に把握できる。 公示地価の水準の8割程度で売買実例も参考に算出する。

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